2019年1月23日(水)

H2O、千里中央再開発を主導 大型商業施設を建設
セルシー・阪急一体で

2018/3/1 2:00
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エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は大阪府豊中市の千里中央駅前の再開発を主導する。千里中央駅前の2つの商業施設を一体的に再開発し、延べ床面積10万平方メートル級の施設を建設すると28日、発表した。北摂地域は北大阪急行電鉄線の延伸で人口流入が見込まれている。H2Oが大規模再開発をすることで、千里ニュータウンの中核である千里中央地区が大きく変わりそうだ。

千里中央駅前の商業施設は、H2O傘下の阪急阪神百貨店の「千里阪急」があるほか、ダイエーなどが入居する大型商業施設の「セルシー」がある。ともに築40年以上が経過している。豊中市が推進する「千里中央地区活性化基本計画」でも、商業施設の更新が検討されていた。

特にセルシーは延べ床面積が4.5万平方メートルと、隣接する千里阪急の2.2倍の大きさで、施設更新の目玉だった。セルシーは信託の仕組みを通じて特別目的会社(SPC)に出資する投資家が保有している。H2OはこのSPCに15億円出資して過半数の出資比率を確保。今回、千里阪急とセルシーの一体開発の検討開始で合意をとりつけた。

新設する商業施設は10万平方メートル級と、大阪・梅田の阪急うめだ本店にほぼ匹敵する大きさで、H2Oにとっては最大級の施設となる。今後は商業施設の開業スケジュールなどを検討しながら、再開発を進める。千里阪急の営業については、当面は続けるという。

H2Oにとって郊外店の再生は課題となっている。同社は関西地域に小売店を集中する関西ドミナント化戦略を進めている。阪急うめだ本店は遠隔地からも客を集めて好調な一方で、郊外店は専門店やネット通販との競争で苦戦が続く。

特に北摂では、三井不動産がエンターテインメント施設を併設した大型複合商業施設「エキスポシティ」を2015年に開業。千里中央駅前の「SENRITO よみうり」には17年にイオンが入り、競争が激化していた。

H2Oの新たな商業施設のコンセプトは未定だ。ただ、周囲に有力な大型店がひしめいているだけに、有力テナントの誘致など魅力的な店舗づくりが集客には必要になりそうだ。

H2Oと同じ阪急阪神東宝グループの阪急阪神ホールディングスにとっても、開発は利点が大きい。

阪急阪神HDが出資する北大阪急行電鉄は地下鉄御堂筋線と直結し、千里中央駅まで通る。20年度に千里中央から新箕面駅まで路線の延伸を予定しており、北摂で人口流入が期待される。大阪モノレールとも連絡し、北摂の中核である千里中央駅前の再開発は、沿線価値の向上が見込まれるからだ。

ニュータウン相乗効果 人口増へ追い風
 1962年に街開きした全国初のニュータウン(NT)である千里NT(大阪府豊中市、吹田市、1160ヘクタール)は、団地建て替えで若年層が入居し、他のNTに比べ人口回復、若返りが進んでいる。今回の再開発は千里に住む魅力を高めて住宅需要が増し、商業施設も活況となる相乗効果が期待される。
 千里NTでは大阪府営住宅と都市再生機構の団地建て替えが進行中。2013年に完了した大阪府住宅供給公社の団地建て替えでは賃貸住宅を集約して作り出した土地にマンションを分譲し、住宅戸数が従来より900戸以上増え、人口回復のきっかけになった。
 17年の人口は約9万9千人。ピークとなった70年代の13万人には届かないが、10万人の大台に迫る。15年の国勢調査で65歳以上の比率は30.6%となお高水準だが、0~14歳の比率は13.6%と05年の12.0%を底に少子化に歯止めをかけた。
 千里中央駅の北側では住友商事などが再開発し、タワーマンションと商業施設が完成した。駅西側も再開発でタワーマンションが19年に完成予定だ。今回の駅東側は第3弾の再開発に位置づけられる。
 関西経済の動向に詳しい、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「北大阪急行の箕面市への延伸もあり、注目されているエリアだ」と指摘。「地域に合ったテナントをそろえれば、(阪急阪神グループが商業開発を手掛けた)阪急西宮北口駅前(兵庫県西宮市)のように街の雰囲気が大きく変わり、人口増加につながる可能性がある」とみている。(荒尾智洋、清水英徳)

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