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「日本頑張れ」は昔の話 変わる海外レース実況

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2018/3/3 6:30
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平昌冬季五輪が閉幕しました。日本は冬季五輪史上最多のメダルを獲得し、多くの感動的なシーンが生まれました。競馬も負けてはいられません。日本調教馬が海外の一流馬と覇を競うシーズンが、3月31日のドバイ国際競走(アラブ首長国連邦=UAE)から始まります。2017年はヴィブロスやネオリアリズムが海外のビッグタイトルを手にしました。今年の日本馬がどんな活躍を見せるのか、楽しみでなりません。

かつての実況は日本馬が中心

ラジオNIKKEIの海外競馬実況は、1960年代末のワシントンDCインターナショナル競走に始まり、以来半世紀近く。筆者が海外競馬に携わってからはまだ10年足らずですが、海外レースの実況機会が増えた近年は、以前の海外レース実況とは、取り組み方、実況の仕方が変わりました。理由は、国内で馬券が発売されるようになったこと。これが全てと感じています。

17年のドバイターフを制し、関係者に迎えられるヴィブロス

17年のドバイターフを制し、関係者に迎えられるヴィブロス

かつて海外レース実況の多くは、日本馬の動きを中心に組み立てられていました。極端にいえば、日本馬だけを追っていても実況が成り立っていたのです。

筆者が初めて海外レースを担当したのは09年。当時はまだナドアルシバ競馬場で行われていたドバイ国際競走です。初の海外、初めての国、初めての競馬場、初めてのG1レース実況。初物づくして地に足がつかず、先頭に立っている馬と日本馬しか見えていなかったと記憶しています。当時はまだ、それでも何とかなっていたのですが、今はそうもいかなくなりました。

国内での馬券発売で一変

16年10月の凱旋門賞から、日本中央競馬会(JRA)が海外馬券の発売を開始しました。馬券が発売されるとなれば、馬券圏内である1着馬から3着馬までを正確に、的確に実況することが必要となります。普段の中央競馬の実況と同じく、できるだけ全馬を公平に扱うのが前提。そのうえで、日本馬の動き、海外の注目馬の動きを捉えながら、なおかつエキサイティングに……。日本馬の馬券を買っているファンも、海外馬を買っているファンもいて、それぞれ大事なお金がかかっています。もはや「日本ガンバレ」だけで実況が成立する時代は過ぎ去りました。

普段なじみのない外国馬のことも、知っておく必要があります。筆者が実況を担当した昨年暮れの香港国際競走を例に取ると、JRAで馬券が発売された4競走の出走馬は計51頭。うち日本馬は8頭ですから、外国馬は43頭ということになります。外国馬を一頭一頭調べて、資料を作りました。故事にこじつければ「外国馬を知り日本馬を知れば、100レース危うからず」といったところでしょうか。危うからずのレベルまでにはいかなくても、出走馬がどんな馬かもわからないと、実況する上でとても不安なのです。

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