2018年12月14日(金)

持続可能な社会には何が必要ですか
尾堂真一・日本特殊陶業会長兼社長 経営者編10回(3月5日)

2018/3/5 2:00
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自動車は社会に変革をもたらし続けています。移動の自由、人だけでなくモノを運ぶことで生産活動の活発化や生活者の利便性の向上に多大な貢献をしているのは明らかです。多くの読者の皆さんにとって「自動車のない世界」を想像することはできないと思います。だからこそ、自動車産業に携わる私たちは「人と車と技術と未来」について、いつも真剣に向き合っていなければなりません。

今、この業界はかつてないスピードで変化しています。従来のガソリン車から電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)への移行です。一方、ガソリン車は全世界で走り続けていて、成長の余地は残されていますが、化石燃料を使うため環境問題を起こしたのも事実です。

実は、エンジン(内燃機関)に必要なスパークプラグを製造する会社の経営者として心の葛藤があります。世界トップシェア、年間生産個数8億3000万という供給責任を果たす一方で、自動車産業が技術革新によって今までと違う世界へ突き進もうとしていて、決断を迫られることが多くなってきているからです。

幸いにも、内燃機関のような過酷な状況でも耐えられるセラミックの技術があります。エンジンの燃焼効率を高めるスパークプラグや排ガスを検知しながら燃費を向上させるセンサーで二酸化炭素(CO2)削減に貢献しています。自動車産業で鍛えられた我が社のセラミックは今、通信機器や半導体製造装置に欠かせない素材や人工骨など医療関連でも利用されるまでになりました。色々な可能性を秘めた存在です。

こうした取り組みは我が社の前史から培われた社会を感度良く見ていく力があるからだと思います。当社の創業者は約90年前に米国を視察し、そこでモータリゼーション(自動車社会)の到来を予期して当社の源流が誕生したのです。

現在、海外の売上高比率が8割となり、我が社を取り巻く経営環境について考えるにはグローバルな視点で解決することを求められます。セラミックを軸として良品をお届けすることで社会に貢献していくことに変わりありません。

しかし国や企業に求められるものは大きく変わってきています。中でも持続可能な社会の実現には全世界で取り組まなければならない問題であると考えます。

そこで読者にお願いです。「持続可能な社会の実現に必要なものは何か」について考えていただきたいのです。大きなテーマでありますが、未来の地球のために、皆さんのアイデアをお待ちします。

尾堂真一・日本特殊陶業会長兼社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから

「走れば走るほど空気がきれいになる」「運転中に眠くなりそうになると、起こしてくれる」。かつてある自動車大手のトップが口にした「夢の車」の内容です。だがそれは今、夢ではなくなりつつあり、自動運転車のように夢の先へ進んでいるものもあります。

車は一台一台がそれぞれの目的のために走ったり、止まったりしていて、もし車をインターネットでつなげるとどうなるでしょうか。車載カメラと組み合わせると社会事象を瞬時に把握するセンサーの機能となるはずです。ビッグデータとなり新たな価値を生むでしょう。

人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoTといった新たな技術も登場し、社会全体でエネルギーや資源の無駄使いを省いて、環境への負荷を軽減するための最適解を探る動きもでています。

持続可能な社会の実現のためにどのような役割、存在であるべきなのでしょうか。新たな知恵を期待しています。(編集委員 田中陽)

◇   ◇

未来面は、日本経済新聞社が読者や企業トップの皆さんと課題を議論し、ともに作っていく紙面です。今回の課題は「持続可能な社会には何が必要ですか」です。皆さんからの投稿を募集します。3月13日(火)正午が締め切りです。優れたアイデアをトップが選んで、次号3月26日(月)付の日経朝刊未来面や日経電子版の未来面サイトで紹介します。経営者をハッとさせたり、うならせたりしたアイデアの宝箱を開いてみてください。

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