パウエルFRB議長の議会証言要旨「米経済に力強さ、利上げ最善」
米減税「賃金上昇もたらす」

2018/2/28 15:24
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米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が2月27日、就任後初の議会証言に臨んだ。冒頭証言と質疑応答の要旨は以下の通り。

【冒頭証言】

米経済は底堅いペースで成長した。雇用拡大のペースは失業率を十分に押し下げた。賃金は生産性が弱含んで改善の程度が抑えられているが、緩やかに上昇している。

経済成長と労働市場の力強い改善にもかかわらず、物価上昇率は目標の2%を下回っている。物価の停滞は一時的な要因によるもので、繰り返すことはない。

金融市場は緩和的な環境がいくらか反転したものの、現時点で景気や雇用、物価の見通しに大きな影響をもたらすとはみていない。内外需の拡大が企業投資を押し上げるだろう。さらに財政政策はより拡張的になる。この状況であれば、今年の物価上昇率は上向き、目標の2%近辺で安定するだろう。

今後、数年の金融政策の道筋については、景気の過熱を回避して物価目標を達成するというバランスをとっていくことになる。金融情勢は最近の変動にもかかわらず、引き続き緩和的だ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の観点としては、さらなる段階的な利上げが最善の策となるだろう。

【質疑応答】

――何が起きれば3回を上回る利上げをすることになるのか。

「個人的見解では、昨年12月以来、景気見通しは強まっている。データは経済が力強さを増していることを示している。労働市場は引き続き堅調で、インフレが目標に向かうという私の見方に自信をもたらすデータも出てきた。さらに世界経済は堅調で、財政政策も拡張的だ。3月の会合を前に早まった判断は避けたいが、12月以降のすべてを検討材料に含める」

――減税は賃金上昇を後押しするか。

「法人税の引き下げは企業投資の増加につながり、徐々に生産性を向上させ、いずれ賃金上昇をもたらす。どれくらい賃金上昇をもたらすかを明確に示すことは非常に難しい」

――目配りが必要なリスクは何か。

「金融の不均衡や、インフレの蓄積に警戒すべき時だが、現在、それらは見当たらない」

「一部資産価格は高まっているが、家計にはレバレッジは蓄積していない。また銀行・金融システムの耐性は高まっている。このため金融安定性へのリスクはわずかだ」

――財政赤字の拡大について。

「前任者の例に倣い、財政問題に定期的に意見を述べるつもりはないが、重要な点だけを指摘したい。我々は持続可能な財政の進路をとる必要があり、今がまさにそうするときだ。もう一点は、財政政策を変更する際には、できるだけ経済の生産性を高める方向に向けることが大切だ」

――金融規制の緩和について。

「金融危機後の規制のうち、強化し、守りたい重要な柱がある。高リスクベースの資本規制、高い流動性規制、ストレス・テストなどだ。特に、大規模な組織に適用する際には透明性のあるものにしたい。地銀など小規模な組織には規制をそれにふさわしく調整し、過剰な負担とならないようにしようとしている」

(ワシントン=河浪武史、長沼亜紀)

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