2019年3月20日(水)

独、ディーゼル規制強化へ 連邦行政裁判決、都市で走行禁止も排除せず

2018/2/28 2:00
保存
共有
印刷
その他

【フランクフルト=深尾幸生】ドイツの連邦行政裁判所は27日、環境を改善するため、都市など自治体がディーゼル車の市街地走行禁止といった必要な措置を導入すべきだとする判断を示した。大気汚染物質の規制値を上回る独国内の約70の自治体が今後対応を迫られる可能性があり、国内で使われる1千万台以上の古いディーゼル車に影響がおよぶ恐れがある。

同裁判所は今回の判決で「ディーゼル車の走行禁止は法的に除外されるものではない」と適法性を認めた。ベルリンやミュンヘンなど大都市はディーゼル車の乗り入れ禁止を検討していたが、法的に可能か議論が分かれていた。乗り入れ禁止が広がる可能性があり、ディーゼル車から電動車への移行が加速しそうだ。

この裁判は、環境団体DUHが大気汚染対策が不十分として、汚染度が高いシュツットガルト市を含むバーデン・ビュルテンベルク州など2州を訴えた裁判の控訴審。今回が最終審となる。

2017年7月のシュツットガルト市での一審では「窒素酸化物(NOx)などを多く排出するディーゼル車の市街地乗り入れ禁止が有効」との判決が下されており、自治体側が連邦行政裁判所に控訴していた。

今回の判決は、自治体に直接、ディーゼル車の走行禁止を強制するものではない。ただ自治体は大気汚染軽減へ対応を講じる必要が生じる。

判決では、走行禁止措置を導入する場合、利用者の不利益とのバランスを考慮すべきだとした。例えばシュツットガルトの場合、まず、およそ09年ごろまでに発売された2世代前の排ガス規制「ユーロ4」への対応車までを規制の対象とし、1世代前の「ユーロ5」対応車への規制は19年9月まで認めないとした。

都市部への乗り入れが規制されると、消費者への影響は大きい。ユーロ5までのディーゼル車はドイツ国内の乗用車保有台数の2割強にあたる約1千万台を占める。

排ガス規制に適合しないディーゼル車を乗り続けるためには、車両を改修する必要がある。17年8月に政府と自治体、自動車メーカーが話し合った際には、ユーロ5以降の車両約530万台を対象にソフトウエアを更新することで乗り入れ禁止を回避した経緯がある。

これに対し、環境団体は、ソフトウエアの更新では対応が不十分だとして、排ガス浄化装置の追加設置を求めている。追加設置は1台あたり30万円前後の費用がかかるとされる。費用を誰が負担するのかも問題だ。

環境規制を満たしている最新のディーゼル車の販売にも影響が出る。将来規制が強まるかもしれないという不安に加え、売却時の価格が下がるからだ。英国とフランスは40年までにディーゼル車の販売を禁止する方針を掲げる。欧州最大市場のドイツでもディーゼル車に厳しい判決が出たことで、影響が他の欧州諸国に広がる可能性もある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報