2018年7月22日(日)

米国務省、機能不全が深刻に 北朝鮮担当特別代表が辞任へ

2018/2/27 19:14
保存
共有
印刷
その他

 【ワシントン=永沢毅】米国務省は26日、ジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が週内に辞任すると明らかにした。米紙ワシントン・ポストによると、辞任は「個人的な決断」だとしており、詳しい理由は明らかになっていない。米朝による対話の機運がじわりと出てくるなかで、対北朝鮮政策の先行きに影響する恐れがある。米国務省の機能不全にも一段と拍車がかかりそうだ。

 ユン氏はマレーシア大使などを歴任し、オバマ前政権の2016年10月に現在のポストに就任。北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の首席代表を務め、日本や韓国との対北朝鮮政策の調整にあたっている。ティラーソン国務長官から慰留を受けたが、最後はティラーソン氏も「いやいやながら辞任の申し出を受け入れた」という。3月2日に辞任する見通しだ。

 昨年6月には北朝鮮の平壌を訪れ、拘束されていた米国人大学生の解放交渉に関わった。トランプ政権での米当局者の訪朝はこれが初めて。北朝鮮とパイプがある数少ない人材だった。

 同氏はティラーソン氏と同じく、北朝鮮との対話に前向きとされる。このため、対話よりも圧力を重視してきたトランプ政権内で微妙な立場に追い込まれていた。

 北朝鮮は韓国・平昌冬季五輪をきっかけに韓国への接近を強め、米朝対話についても「十分な用意がある」(金英哲=キム・ヨンチョル=朝鮮労働党副委員長)と意欲を表明。これに米側も対話の窓口は閉ざさない反応を示し、米朝対話の実現に向けた雰囲気が醸成されつつある。そうした矢先での北朝鮮に通じたユン氏の辞任は、政権の対北朝鮮政策に影響を及ぼす可能性がある。

 一方で、国務省はトランプ政権内での影響力低下が指摘される。今回のユン氏の辞任は、外交官の間に鬱積している政権への不満を反映しているとの見方も出ている。

 トランプ政権では発足から1年以上がたっても駐韓大使が不在のまま。米戦略国際問題研究所(CSIS)ビクター・チャ韓国部長がいったん内定したが、白紙に戻った。東アジア・太平洋を担当する国務次官補も指名はされたが、議会の承認を受けておらず、空席が続く。枢要ポストの不在により、アジア政策の立案と実行がままならない状態だ。

 ほかの幹部でも、各国との政治課題を協議するシャノン国務次官(政治担当)が2月に辞任を表明。省内でナンバー3の国務次官が一時は6ポストのうち5つが空席という異例の事態に陥り、機能不全の深刻さが浮き彫りとなっている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報