2019年4月23日(火)

再生医療の実用化 中之島で加速 大阪府など基本計画公表
19年度に運営組織

2018/2/27 1:31
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大阪府・市と関西経済界などは2021年度にも、大阪中心部に再生医療を核に先端産業の創出拠点を整備する。府や日本再生医療学会(理事長=澤芳樹大阪大大学院教授)などが19年度に運営組織を設立する。関西には再生医療の基礎研究や企業集積が進む医療都市や大学があり、連携により医療先端地域として関西の存在感が国内外で高まる可能性が広がる。

26日の協議会で、大阪市中之島4丁目地区の再開発の基本計画がまとまった。

新拠点は再生医療を核にゲノム(遺伝子情報)医療や人工知能(AI)を活用し、最先端医療の産業化を進めるのが狙い。難病治療の開発による国際貢献も目標だ。企業と研究機関、医療機関が一体となってオープンイノベーションに取り組み、企業の再生医療関連ビジネスへの参入を支援、高度専門人材も育てる。

大阪市が所有する7500平方メートルの土地に、臨床研究病床を持つ病院などが入るメディカル棟(延べ床面積2万平方メートル)と製薬や医療機器関連の企業などが入る研究開発棟(同3万平方メートル)を建設。研究開発棟には産学連携ラボやインキュベーションラボを置く。

拠点の運営組織として19年度に「未来医療推進機構(仮称)」を立ち上げる計画で、4月に準備会議を開く。機構は日本再生医療学会のほか、製薬会社や医療関連機器、貯蔵・運輸など幅広い企業を募って構成する。

再生医療拠点の開設が予定される中之島再開発地区(大阪市北区)

再生医療拠点の開設が予定される中之島再開発地区(大阪市北区)

事業費は未定で、2棟を建設・所有する開発事業者を20年度までに募る。開発事業者が市から格安で土地を賃借し、機構に施設を貸し出す。機構は入居企業などからの賃貸料を産学連携の仲介や海外医療機関との連携、研究支援に充てつつ、賃料を払うスキームだ。

関西では神戸医療産業都市(神戸市)や京都、大阪、奈良にまたがる「関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)」で医療の研究開発などが進む。京都大や大阪大、神戸大といった再生医療の有力大学もあり、これらとの連携が新拠点の成否のカギとなりそうだ。

基本計画によると、国内の再生医療研究をリードする京都大iPS細胞研究所や神戸の理化学研究所などとの連携を検討。大阪大医学部付属病院は臨床研究の成果などを新拠点に提供する。大阪府・市と計画を進める同学会の澤理事長は「神戸(医療産業都市)はベーシックな研究が中心。中之島は、ここに来れば製品化できるという拠点にしたい」と話す。京都大や理研、大阪大などの、それぞれの強みをつないで治療法や製品・サービスの実用化を目指す。

医療産業都市を整備してきた神戸市の幹部は「既に理研が取り組む目の難病治療に関しては大阪大とも一緒に進めており、(中之島との)連携の素地はある」と歓迎。けいはんな学研都市では4月に理研が京都府精華町で神経難病などの新薬開発にiPS細胞の研究を生かす新拠点を開設する。関西文化学術研究都市推進機構の中川雅永常務理事は「それぞれの(拠点が)強みを発揮すべきだ」としたうえで、「(同じiPS細胞関連の研究など)連携できる部分はしていきたい」と話す。

京阪神、大学や企業集積 健康医療、自治体も支援

関西は健康医療産業に強みを持つ。厚生労働省がまとめた都道府県別の医療機器生産金額(2015年)では10位に兵庫(607億円)、11位に大阪(594億円)、14位に京都(417億円)が入った。医薬品生産金額でも4位が大阪(4953億円)、8位が兵庫(2506億円)、10位が滋賀(2132億円)などとなっている。

経済の東京一極集中や企業の東京移転に歯止めをかけるため、関西の各自治体は健康・医療関連の産業や有力大学の集積を生かした街づくりを進める。大阪府・市が「健康」を主要テーマにして25年国際博覧会(万博)の誘致に取り組むのも「万博開催を通じてライフサイエンス分野を次代の大阪の成長をけん引する産業に育てたい」(大阪府の松井一郎知事)との思惑がある。

JR大阪駅北側の貨物駅跡「うめきた2期」の再開発でも、大阪市などは人間の生活をより豊かで便利にする「ライフデザイン産業」を育む拠点とする構想を打ち出す。特に再生医療は関西にとって、京都大iPS細胞研究所の立地を生かせる有望分野といえる。

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