2018年8月19日(日)

英労働党党首、離脱後も「EUと関税同盟維持を」

2018/2/26 23:14
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 【ロンドン=小滝麻理子】英国の最大野党労働党のコービン党首は26日、欧州連合(EU)離脱後もEU域内との無関税を定める「関税同盟」を支持する考えを表明した。メイ首相はすでに関税同盟からの撤退を明言しており、対抗軸を鮮明にする。与党保守党内の親EU派議員を中心に労働党へ協調する動きを取り込み、メイ氏を追い込む考えだ。

 メイ氏は3月2日にEUとの将来の通商関係の方針を演説する予定で、その直前に政府戦略を強くけん制した格好だ。

 コービン氏は「EU離脱という国民投票の結果を受け入れる」と発言。その上で「関税同盟からの撤退は英経済への痛手になる。雇用や産業、生活水準への致命的な打撃になりかねない離脱戦略には反対する」と話し、メイ政権が掲げる単一市場・関税同盟からの撤退を批判した。

 コービン氏は離脱後にEUと新たな関税同盟を結び直し、無関税を維持できるよう交渉すると表明。「(人・モノ・サービスなどの自由な取引を定める)EU単一市場への完全なアクセス権と恩恵の維持を目指す」とした。

 さらに「すべての下院議員は考えの違いを超えて、人々のためになるEU離脱を実現すべきだ」と訴え、メイ政権方針に反発する与野党の議員たちに結束を呼びかけた。

 これまで離脱後の方針があいまいとも指摘されてきたコービン氏がここにきて、「関税同盟支持」など親EU路線を明確にした背景には、メイ政権との違いを明確にし、政権運営に一段の圧力をかける狙いがある。

 メイ政権・与党内はEUとの経済関係を重視する穏健派と、EU規制との決別を求める強硬派にいまだ大きく二分。メイ氏は2日の演説で関税同盟・単一市場からの撤退を改めて打ち出す一方で、主要産業に限ってはEU規制を離脱後も適用できるなどの「折衷案」をアピールする見通し。ただ、これに対してEU側がすでに「いいとこどりだ」と反発を強めており、政府方針はなお安定していない。

 英議会は現在、EUが第三国と結ぶ貿易協定を、英国が結ぶ協定に置き換える法案を審議中。これに対して与党内の親EU派の一部議員らが「離脱後も関税同盟に残る」ことなどを求める修正案を提出した。メイ氏の保守党は議席が過半数に満たない。労働党は、与党のこうした造反議員と結託することで、修正案の可決などを通じてメイ政権を揺さぶることができると見る。

 もっとも、労働党案も実現性に疑問符がつく。コービン氏は関税同盟を支持する条件として離脱後もEUの貿易政策に英国が発言権を持つことを掲げたが、EU側がこうした特別扱いに応じるかは不透明だ。

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