米朝、平昌後にらみ攻防 4月の米韓演習が分水嶺

2018/2/25 18:21
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【ワシントン=永沢毅、ソウル=山田健一】平昌五輪の閉幕を受け米国と北朝鮮の攻防は新たな局面に入る。米国は対話の窓口を残しつつも「最大限の圧力」を緩めない構え。北朝鮮は金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談で米との対話に意欲を示すなど早速、揺さぶりをかけてきた。平昌パラリンピック後に見込む米韓合同軍事演習が分水嶺となりそうだ。

イバンカ米大統領補佐官は25日、五輪の閉会式に出席した。これに先立つ声明では「我々の同盟国、韓国で素晴らしい日々を過ごせ、大変光栄だ」と表明した。一方、金英哲氏らは文大統領との会談で米国との対話のほか、南北関係の改善に強い意欲を示した。米韓連携を乱そうとする狙いは明らかだ。

北朝鮮による五輪出席を機に、朝鮮半島を巡る軍事的な緊張は「五輪休戦」とも言える小休止の状態が続いている。米国は五輪期間中の米韓演習を見送り、北朝鮮は2017年11月末を最後に弾道ミサイル発射などの挑発行為をしていない。

ただ、言葉の応酬は続いている。ペンス米副大統領は22日、先に訪韓した北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長を「この地上で最も専制的で抑圧的な政権の中心勢力」と非難、核放棄まで圧力を強めると表明した。

ペンス氏の発言に北朝鮮は反発。朝鮮中央通信によると北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は24日の報道官談話で「我々の最高尊厳と体制を冒涜(ぼうとく)する者はどこにいようと探し出し無慈悲に懲罰する」とし、ペンス氏を批判した。

米朝の視線は3月18日に閉幕するパラリンピックの後を見据える。その先の朝鮮半島情勢を占ううえで米韓演習がカギを握る。北朝鮮は25日の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」(電子版)で「軍事演習は中止すべきだが、米国は必死に演習を繰り広げようとしている」と非難。演習に反発してみせ、挑発行為を再開するとの見方は多い。

米韓演習の縮小や再延期は「圧力を弱めた」と誤ったメッセージを送ることになる。21日付の韓国紙・朝鮮日報は米国が韓国に軍のチャンネルを通じ「演習の再延期や縮小は絶対に不可能だ」などと伝えたと報じた。米国は23日、核資金封じのため「過去最大」と称する制裁を追加し、圧力強化にまい進している。

韓国は米朝対話の「仲介役」を担おうとし、米韓演習の規模縮小の可能性を探るとみられる。トランプ政権も対話は拒まないが、あくまで非核化が前提。「核保有国」として対話に臨もうとする北朝鮮との溝は深い。

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