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LS北見、窮地で全員が粘り 光った作戦
カーリング女子

2018/2/24 11:20
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LS北見のショットは決して悪くなかったが、それ以上に韓国の出来が良かったことが敗因だろう。1次リーグの順位が低い日本は第1エンドは不利な先攻でいきなり3失点。余裕を持って展開する相手を最後まで慌てさせることができなかった。

準決勝で韓国に敗れ、健闘をたたえ合う藤沢選手(右)ら日本代表=山本博文撮影

準決勝で韓国に敗れ、健闘をたたえ合う藤沢選手(右)ら日本代表=山本博文撮影

試合前の練習で選手たちには良い感触があったはずだ。大事な試合の序盤は慎重に入って石の出し合いになることも多いが、リード吉田夕は1投目をガードへ。スキップ藤沢の積極性を感じたが、ハウス(円)の中心を狙ったセカンド鈴木の2投目が手前で大きくカーブ。ミスになってしまった。

選手が投じる石の滑りや曲がりは一定ではなく、「悪い石」はどうしてもリードやセカンドに回ってくる。鈴木のショットには石の影響があったかもしれないが、これで相手に一気に流れが傾いた。この日絶好調の韓国のサードに「ダブルテークアウト」を決められ、タフショットを迫られた藤沢は4失点を防ぐのがやっとだったと思う。

韓国チームの拠点を何度か訪れたことがあるが、日本と比べて氷がよく曲がっていたことが印象深い。五輪会場の氷も大会終盤は曲がりが良く、日ごろの練習の成果を自信を持って発揮していたように見えた。

だからLS北見が石を置いても精度の高いショットでことごとく追い出され、ビッグエンドが作れない。第9エンドに2点を返して6-7としたものの、韓国には想定内だっただろう。第10エンド先攻のLS北見はここでもガードを置けず、苦しい展開。「もう打つ手がないかな」と心配したが、残り3投を残してのタイムアウトで素晴らしい作戦が生まれた。

リンドコーチのアイデアだろうか。サード吉田知の2投目はセンターラインから石1個分ほど右にずれた場所でガードになった。その後ろ、円の中にも日本の石が1つ。狙われやすい位置だが、ミスではなく、好調な相手に「ガードを切りつつ円の中の日本の石も出したい」と思わせる「誘い」だったと見る。

ここで韓国のサードは強いショット。LS北見の2つの石ははじかれたが、センターライン近くには相手の石が残った。待ち望んだガードだ。藤沢が円心に素晴らしいショットを決めると、最後も完璧な位置にガードを置いた。延長戦で敗れはしたが、全員で粘りを見せてくれたと思う。

3位決定戦の相手、英国は強豪だけにメダルが当然と期待される重圧もあるだろう。「自分たちはチャレンジャー」と話すLS北見は自信を失っていないと思う。最後まで自分たちらしいプレーを貫き、最終戦を勝利で締めくくってもらいたい。

(富士急行カーリング部選手 西室淳子)

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