2018年6月20日(水)

京大卒・元ボクサー、証券のリングに挑む
FOLIO・甲斐真一郎社長

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2018/3/1 6:30
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 1月にLINEと資本提携したインターネット証券のFOLIO(フォリオ、東京・千代田)。設立2年あまりで累計91億円を調達した甲斐真一郎社長(36)は、京都大学出身の元プロボクサーという異色の経歴の持ち主。外資系金融でのトレーダーを経て起業し、「口座数で日本一」を目指す野心家だ。

FOLIOの甲斐真一郎社長

FOLIOの甲斐真一郎社長

2000年京都大学法学部に入学。在学中にボクシングのプロライセンスを取得。06年ゴールドマン・サックス証券に入社。10年バークレイズ証券に入社。15年フォリオを設立。

■テーマで10銘柄選ぶ

 「人工知能(AI)」「コスプレ」「がんばろう東北」――。フォリオではテーマで10銘柄のポートフォリオを作り、さくっと商品選びができる。「投資にはリスク・リターンだけでは語れない世界観がある。こんなことを考えている金融機関はない」。甲斐氏は自信たっぷりの口調で語る。

 特にこだわるのは、サイトのデザインだ。「『美と健康』のテーマは白基調。目に溶け込むかどうかが重要」(甲斐氏)。フォントや文章、写真などはすべて内製だ。投資テーマの用語は「先端テクノロジー」といった供給者目線をなくし、「世の中を変える」など利用者が関心を持ちそうな言葉を選ぶ。

 繊細さも併せ持つ甲斐氏の経歴は元プロボクサー。「ボクシングのおかげであまりへこまない人間になった」。試合前の減量では前日にサウナで水分を絞り、1泊して4キロ減量したこともあった。「水風呂を見てよだれが出たのはあのときが最初で最後」と笑う。

 特に精神が鍛えられたという。リングに上がるとアドレナリンが勝ち、パンチの痛みは感じない。「死ぬかもしれない」と考える試合前の重圧のほうが身にこたえた。今でも資金調達など忍耐力が求められる交渉には生きる。判断を間違えたら「会社が死ぬ」との思いで事業を伸ばしてきた。

 ボクシングのきっかけは、学生時代にバーテンダーとして働いたバイト先だった。当時のあだ名は「京大生」。常連客らに「アタマだけでしょ」と鼻で笑われた。スポーツ万能だったが「口で言っても説得力がない」。大学2年時にボクシングジムの門をたたいた。

 「体の動きが合ったのか思ったより自然にできた」。4カ月ほどでプロライセンスを取得。スーパーフライ級で初戦を勝ち、新人王のトーナメントへの出場権を獲得した。1年間におよぶトーナメントに参加するため大学3年に休学したが、結果は初戦で判定負け。「ボクシングで食っていくつもりはない」と引き際はあっさりしていた。

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