塩野義、インフル新薬を5月にも発売へ 製造・販売承認
先駆け指定第1号
塩野義製薬は23日、インフルエンザを1回の服用で治療できる新薬の製造・販売の承認を厚生労働省から取得したと発表した。競合薬に比べ服用回数が減り、患者の負担が軽くなるのが特徴。薬価が決まる5月にも発売となる見込み。薬の審査期間を短縮する新制度下で承認第1号となる。新薬の登場で2016~17年には約1600万人が罹患(りかん)したインフル治療の選択肢が広がりそうだ。
新薬の名称は「ゾフルーザ」。厚労省が画期的な医薬品や医療機器を早期に実用化するため、2015年に創設した審査期間を短くする「先駆け審査指定制度」に指定されていた。医療機器ではノーベルファーマ(東京・中央)の「チタンブリッジ」が承認されているが、医薬品ではゾフルーザが第1号となる。
ゾフルーザは画期的な新薬候補として注目を集めている。競合する中外製薬は、5日間服用が必要なタミフルの18年の国内販売予想を17年比67%減の56億円とした。ゾフルーザの登場が影響するもよう。塩野義は日本と台湾で独自にゾフルーザの製造・販売を目指し、米国では提携するロシュが承認申請する見込み。
薬価は類似薬のタミフル(成人、5日分で2830円)などとの比較で決まるとされ、制度上得られる加算を含めて1回分3千~4千円となる見込み。今回、ゾフルーザは昨年10月の申請から4カ月と、従来の半分以下の審査期間となった。