2018年11月19日(月)

ネットで「コト消費」広がる 個人のスキルシェアも

2018/2/26 6:30
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物品ではなくサービスを販売する「サービス電子商取引(EC)」が盛んになっている。以前から旅行予約のようなサービスECはあった。最近は大手ECサイトが家事代行や靴修理などを扱うほか、個人間で知識やスキルを提供しあうビジネスも登場しており、裾野が広がっている。「コト消費」もインターネット経由が一般的になるかもしれない。

楽天市場にはサービスECの特設ページがある

楽天市場にはサービスECの特設ページがある

楽天は1月、ネット通販サイト「楽天市場」にサービスの特設ページを開設した。家事代行や住宅のリフォーム、フィットネスクラブやエステといった幅広いサービスを予約できる。ダスキンRIZAPなど20社以上が出品している。

例えば、家事代行を注文する場合、「ハウスクリーニング」などのメニューを選択する。エアコンやキッチンを対象とする清掃サービスがずらりと並んでいる。利用者が購入手続きをすると、クリーニング事業者から連絡があるため、日時を調整する。「複数の店舗を掲載しており、比較しながら探しやすい」(楽天)。掲載店舗は増やす予定だ。

「アマゾン・ドット・コム」では靴修理の宅配サービスが始まった。青山商事傘下で、靴修理店「ミスターミニット」を運営するミニット・アジア・パシフィック(東京・台東)が提供する。利用者はアマゾンから届く段ボールに靴を入れて送ると、ミスターミニットが修理してまた届けてくれる。

サービスの販売は「ヤフーショッピング」などほかの大手ECサイトにも広がる。これまでもタイヤ購入者への取りつけサービスなど、付帯サービスを提供する事業者はあった。旅行予約や飲食店予約も広義のサービスECに該当する。最近は店舗や電話などで受け付けていたサービスも、ECサイトで買えるようになってきた。

サービスECは企業対個人ではなく、個人間取引にも広がっている。個人の知識やスキルを別の個人に提供する。フリーマーケットアプリ大手のメルカリ(東京・港)は2018年春、会員同士が教えあうサービス「ティーチャ」を始める。

語学や趣味を教えたい会員と、学びたい会員を引きあわせる。講座は1時間単位。すでに会員の募集を始めており、会場となるスペースなどを貸しだす事業パートナーも募っている。メルカリはフリマアプリで物品の取引を仲介してきたが「知識やスキルを簡単に教えたり、学んだりできるようにする」(同社)。

知識やスキルの個人間取引は「スキルシェア」とも呼ばれる。ココナラ(東京・品川)やストリートアカデミー(東京・文京)といったスタートアップ企業がすでに提供している。多様な働き方が広がっていることなどを背景に、ビジネスの専門家と会員をマッチングするサービスも人気になっている。

経済産業省の調査によると、企業が個人に提供するサービス分野のECの市場規模は、16年に5兆3532億円と15年比9.2%伸びた。物品分野(8兆43億円)を下回るものの、成長率はほぼ同じだった。

サービス分野のうち、旅行関連が3兆円ほどを占めている。成長率では飲食店予約などの飲食分野が高い。スマートフォン(スマホ)向けの専用アプリが増えれば、サービスECの需要はさらに拡大しそうだ。

(企業報道部 諸富聡)

[日経産業新聞2018年2月26日付]

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