ドワンゴと庵野監督、10代向けゲーム開発支援

2018/2/23 13:59
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映画「シン・ゴジラ」の総監督として知られる庵野秀明氏が社長を務める映像制作のカラー(東京・杉並)と動画サイト運営のドワンゴは、バカー(東京・中央)を15日付で設立した。同社は大企業に所属しない個人のゲーム開発をサポートする。斉藤大地社長は「特に10代をターゲットとするコンテンツ開発を支援する」と語る。

庵野監督はカラーの社長も務める(2016年のイベント)

庵野氏はカラー社長も務める

個人クリエーターや少人数のチームによる「インディーゲーム」の開発を支援する。社名はギリシャ語の「詰め物」に由来する。個人クリエーターが必要とする資料や人材を提供・紹介し、完成作品の配信収入などを分配してもらう。アニメ化や海外展開の窓口にもなり「マンガ家にとっての編集者の役割」(斉藤社長)を目指す。

斉藤社長はコンテンツを囲いこまず「スマートフォン(スマホ)ゲーム会社などとも積極的に連携しようと考えている」と話す。ただ、支援作品の著作権の所在は「個々の作品によって変わる」と述べるにとどめた。

主な支援対象を10代向けのコンテンツとするのは「10代が最もフィクションを必要する」(斉藤社長)とみているため。日本では少子高齢化が進むものの「海外ではどこの国も10代が新しい文化を生みだしている。必ずしも小さな市場だとは思っていない」。

斉藤社長はドワンゴの出身。動画投稿サイトのファンらが集まるイベント「ニコニコ超会議」などに携わり、消費者が生み出すコンテンツを目の当たりにしてきた。ドワンゴが出版大手と経営統合して設立したKADOKAWA・DWANGO(現カドカワ)にも出向経験があり、ゲーム業界以外との接点もある。

バカーにはゲームやアニメの著名人が多く参加している。取締役にはドワンゴ取締役最高技術責任者(CTO)の川上量生氏と庵野氏が就いた。相談役にはゲーム「ドラゴンクエスト」を開発した中村光一氏を招いた。斉藤社長は「豊富な人脈はゲームの開発支援やアニメ化などに生きる」と語る。

ドワンゴの主力サービスである動画配信サイト「ニコニコ動画」は、有料会員の減少に直面している。若者を呼び込むコンテンツへの関与は死活問題。川上氏と親交が深く、1990年代にアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」をヒットさせた庵野氏とっても、若年層との接点拡大は重要な関心事だったとみられる。

過去もアニメの制作会社を立ちあげてきたドワンゴとカラー。両社にとってバカーを通じたゲーム開発支援は、自らの事業を活性化させるチャンスでもある。

(花田亮輔)

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