透視線(野上大介)

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次世代へ スノボの醍醐味受け継いで

2018/2/22 19:50
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五輪のビッグエアは3本跳び、回転方向の違う技の上位2つの合計点で競う。岩渕麗楽は4位と頑張ったが、成功しうる高難度技は「右回転」しか持ち合わせていない。優勝したガサーは今回は繰り出さなかったものの、DC10を右回転でも左回転でも決められる。2位のアンダーソンも同じ。難度だけでなく、レパートリーの広さでも「2強」とは差があった。

ビッグエアでは岩渕よりさらに若い世代がめきめきと台頭しつつある

ビッグエアでは岩渕よりさらに若い世代がめきめきと台頭しつつある

残念だったが、この種目は16歳の岩渕よりさらに若い世代がめきめきと台頭しつつある。岩渕が今回決められなかったDC10よりさらに難しく、世界で誰も決めていない技を、練習とはいえ成功させた13歳もいる。東北のジャンプ施設で腕を磨いた岩渕に続けとばかりに、予備軍として新世代が育っているのだ。北京五輪に期待したい。

男子のビッグエアでは今やトップクラスはダブルコークにとどまらず「クアッドコーク」の技を跳ぶ。ただ、24日の決勝ではその競演は楽しめないだろう。国際スキー連盟による今回のジャンプ台の高さ・着地面の長さなどの仕様は、最高峰とされるXゲームとは違うからだ。

スキー競技の「一部」として追加されたのが五輪スノボの歴史。Xゲーム側の国際団体があっても、国際スキー連盟とのパイプは太くない。コース設計ではXゲーム側のノウハウや良さを生かせばいいと思うのだが、スキー界は「自分たちでできる」とかたくなとも聞く。スロープスタイルでは採点法にXゲームのそれが反映され、項目ごとの得点も考慮された。歩み寄れる部分を歩み寄れれば、面白さの幅も広がるのではないか。

新興種目といえるスノボ界にとって、五輪は4年に1度のビッグチャンス。平野歩夢がハーフパイプ(HP)で頂上決戦にふさわしい勝負をみせ、"若者のスポーツ"というだけではない目線から、魅力を楽しんでもらえたのではと思う。

一方で「大会でなければ、こんな高回転の技はしたくない」と漏らす選手もいる。独創性や個性こそスノーボードの大本、本流。HPで高さもアピールし、滑りそのものでもみせた平野のスタイルは、だからこそ価値がある。続く世代は強さとともに、彼の良さも引き継いでほしい。クルクル回るだけでなく、スノボの醍醐味も失わずに強くなることを願っている。

(スノーボード専門誌編集長 野上大介)

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