2019年9月22日(日)

安保理でシリア停戦決議案、人道支援で30日間 ロシア反発も

2018/2/22 15:36 (2018/2/22 23:14更新)
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【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会の非常任理事国であるスウェーデンとクウェートは21日、シリアで人道支援を目的とする30日間の停戦決議案を理事国に配布した。早ければ22日にも採決を目指すが、アサド政権を支援するロシアが反発して採決が見送られる可能性もある。シリアでは反体制派の支配地域にアサド政権が激しい空爆を続け、人道危機が深刻になっている。

政権軍は首都ダマスカス近郊の反体制派支配地域である東グータ地区への空爆を続け、子供を含む多数の死者が出ているもようだ。安保理外交筋は21日、「東グータで暴力の加速が深刻になっていることから、できるだけ早く、できれば22日中に決議案を採決したい」と明かした。

決議案は、シリア全土での30日間の停戦を柱とする。国連機関の人道支援を包囲された地域に行き渡らせる。特に東グータ地区など特定4地域の包囲作戦を一時停止し、病院や医療機関を保護するとした。また内戦の当事者に市民を保護するよう求めた。

中立国のスウェーデンは国際社会で仲介的役割を担うことが多く、シリア問題で対立する欧米とロシアの調整役として決議案をまとめた。2月の議長国クウェートとともにロシアと交渉を続けたが、ロシアは賛否の態度を明らかにしていない。

一方でロシアは東グータ地区の危機的状況を話し合うための緊急会合を22日に開くよう安保理議長国クウェートに要求。アサド政権をかばう論陣を張る思惑があるとみられる。

2011年に始まったシリア内戦は、アサド政権を支援するロシアと、反体制派を支える欧米の代理戦争とも化している。互いの支配地域への空爆は激しさを増し、多くの市民が犠牲となっている。特に政権軍の空爆による被害は深刻だ。

国連のグテレス事務総長は21日の安保理会合で「東グータ地区の40万人の市民が生き地獄で暮らしている」と述べ、人道支援のために即座の戦闘行為の停止を関係国に訴えた。

欧米諸国は停戦決議案に賛同するとみられるが、拒否権を持つロシアの出方は安保理関係国も見通せていない。ロシアはこれまでシリア問題を巡る決議案に繰り返し拒否権を行使して廃案に追い込んできた。米ロの対立でシリア内戦は終わりが見えず、なお1310万人以上が人道支援を必要としている。

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