演じることは生きること 大杉漣さんをしのぶ

2018/2/22 11:17
保存
共有
印刷
その他
21日にお亡くなりになった俳優の大杉漣さんは、5日に日本経済新聞のインタビューに応じ、自らの演劇観を語りました。謹んでお悔やみ申し上げ、19日付夕刊の記事を再掲します。

「長い人は30年以上の付き合いですから、なんだか部活みたい。でもこのドラマは、それでいいと思うんです」。遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、光石研とともに脇役俳優の日常をユーモラスに描く「バイプレイヤーズ 無人島朝ドラ編」(水曜午後9時54分、テレビ東京系)に出演中だ。昨年、深夜に放送した「シェアハウス編」は大きな話題を呼んだ。

「撮影中は毎夜、飲み会。必ず割り勘」という俳優陣の仲の良さ。一方でプロ意識は高い。「いくら飲んでも翌朝には皆、セリフを完璧に覚えてきて、その上でいろいろな工夫(アドリブ)を加える。結果、各シーンが長くなって、一番困っているのは監督です」と笑う。

テレビドラマや映画はもちろん、近年はバラエティー番組でも活躍するが、若い頃は「沈黙劇」と呼ばれる前衛劇の舞台に立っていた。この劇団が解散して、出合ったのが北野武監督の映画「ソナチネ」だ。「この撮影では、はっきりした台本もなく、監督に『突っ立ってて』といわれた。役者にとって、何もせずただそこにいることは難しい。それを追求したのが太田省吾さんの沈黙劇でしたから、若い日の経験を映画で生かせた。役者としての今後に明かりが見えました」

「演じることは、生きること」と考える。「さよなら、ありがとう、というセリフにも、その人の普段の態度や『品』が表れますからね」。俳優としては「66歳の今もさまよっている」というが「現代人はネットの影響で、与えられることに慣れすぎている。でも面白いことは、手間をかけて自分で探さないと」と思う。「バイプレイヤーズ」はそんな、オジサンたちが面白いことを探した成果なのだろう。(おおすぎ・れん=俳優)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]