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美しい隊列は科学の結晶 女子追い抜き金

日本スケート連盟はこの4年、メダル獲得を期待できる種目として団体追い抜きを重点的に強化してきた。

2014年ソチ五輪前も定期的に強化合宿を張ったが、ソチで4位に終わった後は所属の垣根を越えてトップ選手が集まるナショナルチームを発足。選手たちは年間を通して一糸乱れぬ隊列を磨き、あうんの呼吸が体に染みついた。

科学の力も日本の大きな武器だ。およそ10年前に組織化された連盟の科学班のスタッフが研究を重ねてきた。団体追い抜きでは「空気抵抗を最も減らす隊列」「スムーズな先頭交代」「誰が先頭で何周滑るかのレースパターン」を繰り返し検証してきた。

14年秋には国立スポーツ科学センター(JISS)に選手を集めて風洞実験を実施。その結果、「隊列が左右に40センチずれるだけで、1人で滑るのと変わらない空気抵抗を受ける」「前方選手との間隔が1.3メートル程度あいても、左右にずれない限り空気抵抗は抑えられる」などが科学的に立証できた。そこから滑走時の間隔や姿勢といった理想の隊列が見えてきた。

長野市のエムウェーブに取り付けた28台の天井カメラも活用。滑走時の速度変化などのデータが集まり、カーブでの効率的な先頭交代を検証した。たとえば先頭選手が3番手に移る際、1メートルほど外に膨らんでから隊列に戻ると速度が落ちて2番手に追いつくまで体力を消耗することが判明。2.5~3メートル程度大きく外に広がってから最後尾につくと、3人がそのままほぼ同じ速度で滑り続けられることが科学的に裏付けられた。

映像やデータは選手たちにもフィードバック。科学スタッフ責任者の紅楳(こうばい)英信氏は「選手たちはこれまで言われたことをやっている感じだったけど、課題解決のために選手同士で議論することが格段に増えた」と語る。チーム一丸となって金メダルをつかんだ。

(金子英介)

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