東北大、医療系ビッグデータ解析の全学組織
東北大学は21日、大学が持つ医療系データを結集して解析する全学組織「東北大学ビッグデータメディシンセンター」を設立したと発表した。2018年4月から本格稼働する。80万人の患者情報を持つ大学病院や、健康な人15万人分の情報を持つ東北メディカル・メガバンク機構などのデータを、複数の研究科が連携して解析。ビッグデータから得た知見を臨床医療へ応用する。
センターは医学系研究科を中心に、情報科学研究科や工学研究科など8つの部局の専門家が集まる。約30人体制で始める。まずはがんや生活習慣病など4つの疾患群に対して、データサイエンスや遺伝統計学など専門性を持つ6つのチームが解析にあたる。
将来は解析結果を活用し、一律の治療法ではなく、体質や遺伝子の違いなど、個人の特徴にあった「個別化医療」の提供を目指す。
下川宏明センター長(循環器内科)は「学問で終わらずに、製薬会社や医療機器メーカーなど民間とも連携して臨床に生かしたい」と話している。