2018年11月22日(木)

ライドシェア、車部品最大手も 独ボッシュが米社買収

2018/2/21 20:30
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【シュツットガルト=深尾幸生】自動車部品世界最大手の独ボッシュは21日、自動車を相乗りするライドシェア事業に参入すると発表した。企業や学校向けの相乗りサービスを手がける米スタートアップ企業のスプリッティング・フェアズ(SPLT)を買収した。ライドシェアの分野は自動車大手の進出が相次ぐ。所有から利用へ自動車の産業構造の大きな変化を前に「黒子」だった部品メーカーも動き始めた。

21日、移動サービス分野の戦略を発表するボッシュのフォルクマル・デナー社長(独ベルリン)

SPLTは2015年に米デトロイトで創業した。米国やメキシコ、ドイツで14万人が利用している。事業所などと契約し、同じ会社の従業員や同じ学校の生徒だけをスマートフォン(スマホ)のアプリで結びつける。全く知らない他人と車両に乗る必要がなく、利用者の心理的な負担が小さい。買収額は非公開。

ボッシュはライドシェアリングやカーシェアリングなど移動サービスの開発・販売を強化するため、600人規模の新事業部「コネクテッド・モビリティ」を立ち上げた。フォルクマル・デナー社長は21日、独ベルリンで開いたイベントで「移動サービスの提供で年率2ケタ成長を目指す」と述べた。

ボッシュはこれまでベルリンと仏パリで電気スクーターのシェアリングサービスを運営してきた。「本丸」と言える相乗りのライドシェアリングを手がけるのは初めてだ。自動車では避けてきた完成車メーカーとの競合もいとわない背景には危機感がある。

独コンサルティング会社ローランド・ベルガーの予測では、シェアリングが普及すれば自動車の年間生産台数は将来、現在の3割減の7千万台に減るとされる。部品世界最大手のボッシュにとっても影響は大きい。

17年にはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの部門を統合したほか、スターターやターボチャージャーなどエンジン関連部品の事業売却を進めている。移動サービスのほか、電動化など成長が見込まれる分野に経営資源を移す。

ライドシェアには、世界の完成車大手が積極的に参入している。独フォルクスワーゲン(VW)は年内にライドシェアサービス「MOIA(モイア)」を始める。専用車両を開発し、先行する米ウーバーテクノロジーズや米リフトとの違いを出す。米ゼネラル・モーターズ(GM)はリフトに5億ドルを出資し取締役を派遣している。

もう一つの大きな勢力がネットを使った配車技術を持つIT(情報技術)大手だ。米グーグルや中国アリババ集団などが専業に出資する形で相次ぎ参入。ボッシュはこの構図に割って入る。

一方で、日本勢の動きは鈍い。国内で一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「白タク」行為が原則禁止されている規制などが壁となる。公共交通機関が少ない「交通空白地」では条件付きで認めている例はあるが、全国的な取り組みは難しい。

国土交通省はライドシェアについて、運行管理や車両整備の責任が明確でないことを理由に「安全の確保や利用者の保護の観点から問題があり、きわめて慎重な検討が必要だ」という姿勢だ。

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