東レ、インドで紙おむつ材料と自動車用樹脂 150億円投じ
東レは20日、インドで紙おむつ材料と自動車用の高機能樹脂の生産を始めると発表した。150億円を投じ事業用地を取得し工場を新設する。インドは安定した経済成長が続いており、モディ政権のもと製造業の誘致も強化。生活必需品や自動車の現地生産が進んでいる。東レはこうした動きに対応し、大規模事業用地を取得。おむつ材料以外も手掛けアジアでの収益拡大を狙う。
繊維製品や樹脂などを現地生産するため、インド南東部のアンドラ・プラデシュ州に約35万平方メートルの土地を取得。第1弾として「ポリプロピレン(PP)不織布」という紙おむつ材料を手掛ける。年産能力は1万8千トンで2020年4月の稼働を目指す。
ユニ・チャームや米キンバリー・クラークなどインド進出のおむつメーカーに供給する。PP不織布でアジア首位の東レは、おむつの後部やサイドなど部位ごとに機能を変えて作り込める技術があり、快適な履き心地などを支えている。インドのPP不織布市場は年率16%で伸びており、アジア平均の9%を上回る。
合わせて自動車部品に使われる高機能樹脂のコンパウンド(配合)工場も19年度をめどに新設する。ナイロン系など強度や耐熱性に優れた樹脂と繊維やゴムなどを混ぜ合わせる設備で、インド進出の外資系自動車各社に供給する。投資額や生産能力は今後詰める。
インドの国内総生産(GDP)は15年の7位から2030年には3位に浮上する見通し。1人当たりGDPも急拡大しており、生活水準の向上で生活必需品や自動車の需要は増える。中東諸国やアフリカへの貿易拠点にもなっており、グローバルにみても成長センターになっている。