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午後3時すぎ決算発表の合理性(大機小機)

ソニーが先日、2017年4~12月期決算を発表した。同時に18年3月期の業績予想を上方修正し、20年ぶり営業最高益の見通しを発表。日本を代表するスター銘柄の復活に投資家は沸いた。しかし、その復活劇を織り込む最初の舞台は東京市場ではなかった。

ソニーの決算発表は2月2日金曜日の午後3時、東京証券取引所の取引終了時刻だ。決算を受け、ニューヨーク証券取引所に上場しているソニーの米預託証券(ADR)は2日、前日比6%高まで上昇した。日本の多くの投資家、特に個人投資家が東京市場でソニー株を取引できるようになったのは週明け5日だ。

これでいいのだろうかと、以前からずっと疑問に思っている。午後3時以後の決算発表はソニーに限らず、日本企業の標準だ。17年4~12月期の決算発表を見ても、午後の取引が始まる昼12時半までに決算を発表した会社は全体の1割ほど。朝8時台や9時の発表は松井証券太陽ホールディングス西松建設などの常連に限られた。

米欧企業は朝方や午前中に、ごく普通に決算を発表する。例えば米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は1月23日に17年10~12月期の決算を発表したが、発表時刻は米東部時間の午前7時だ。68%減益決算はその日のうちに米市場に織り込まれ、株価は3%安で引けた。

日本企業の決算取締役会は多くが昼までには終わる。それでも東証の取引終了後に決算を発表するのは、取引時間中の開示で株価が乱高下するのを経営者が嫌うせいだろう。それが横並びで因習化している。

だが、午後3時すぎから経営陣があちこちの記者クラブで会見し、アナリスト説明会や個別の投資家ミーティングに駆け回る日程はいかにも窮屈そうだ。かえって十分に説明しきれないのではないかと心配してしまう時もある。「働き方改革」の掛け声とは裏腹に、IR(投資家向け広報)や経理の事務方は夜遅くまで待機し、決算リポートを書くアナリストも夜なべ仕事にならざるをえない。

母国市場の投資家を後回しにして、時間的にも窮屈な現在の決算発表は果たして合理的なのだろうか。取引時間中の発表を避けたいなら、せめて東証の昼休み時間帯への発表前倒しを提案したい。(茶柱)

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