2018年7月22日(日)

フェラーリ、変革に媚びず 1台当たり利益1200万円

2018/2/19 23:00
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 イタリアの高級車メーカー、フェラーリが19日、新型スポーツカー「ポルトフィーノ」を日本で公開した。高額消費が盛り上がる日本だけでなく、世界中で販売好調なフェラーリ。特筆すべきは自動車業界で群を抜く株価のパフォーマンスだ。年間販売9千台以下の小規模メーカーに世界の投資家が熱狂している。

 19日都内で開いた発表会。新型車が姿を現すと会場に拍手がわき起こった。極東・中東エリア統括CEO(最高経営責任者)のディーター・クネヒテル氏は「今後も比類なき存在として君臨していく」と力を込めた。

 ポルトフィーノの価格は2530万円から。1億円超の限定車もあるフェラーリだが、日本自動車輸入組合によると、2017年の日本での販売台数は775台と過去最高だ。その人気は世界中に広がっている。

 2月発表の17年12月期決算は、売上高が前の期比10%増の34億1700万ユーロ(約4500億円)、調整後の営業利益は23%増の7億7500万ユーロだった。富裕層の絶大な支持を得て、この数字をわずか8398台で稼ぎ出した。営業利益を販売台数で割った1台当たり利益は日本円換算で1200万円強と、今期予想ベースで約21万円のトヨタ自動車の50倍を超す。

 18年には史上初めて9千台超を販売する計画。これも売れるから作るのでなく、価値を損ねないようバランスをとった数字だ。この余裕が世界の投資家を引き付ける。

 「RACE」のコードで米株式市場に上場した15年以降、フェラーリ株はほぼ右肩上がりの上昇を続ける。16年末から直近までの2.2倍の上昇率は、独フォルクスワーゲンなどの大手はもちろん、成長株の米テスラ(57%)もはるかにしのぐ。時価総額は日本円換算で2兆6千億円に達し、スズキSUBARUとほぼ同じ規模だ。

 自動運転、電動化などの競争からある程度距離を置き、コモディティー化の流れとも無縁。むしろ多くのメーカーが変革の波にもまれるなか、変革に媚(こ)びない突き抜けた存在とのイメージが高まっている。新興国を中心に富裕層が増えるのは確実で、伸びしろも大きい。ローランド・ベルガーの貝瀬斉氏は「自動運転などの普及は大衆車には影響するが、乗ること持つことに楽しみがある車は別」と話す。

 その強さを物語る出来事が昨秋にあった。イタリアで開かれた創業70周年イベントの競売で、フェラーリ38台が総額6306万ユーロで落札された。ある自動車ジャーナリストは「同じような車はもう二度と手に入らないとの焦りが価格をつり上げている」と解説する。

 とはいえ、時代の流れは無視できない。1月にはセルジオ・マルキオーネCEOが電気自動車発売の可能性に言及した。念頭にあるのは米テスラが20年に発売する2代目「ロードスター」だ。同氏は「本当の電気スーパーカーを作るとしたらフェラーリが最初」と強調したという。百年に一度といわれる大変革期。フェラーリは「桁違い」であり続けられるか。(河野真央、フランクフルト=深尾幸生)

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