2019年9月18日(水)

透視線(西室淳子)

フォローする

LS北見、氷を読み自信のショット
カーリング女子

2018/2/18 20:25
保存
共有
印刷
その他

「客席に急にお客さんが増えていないかな」「隣のシートはもう終わりそうかな」。場内の気温のわずかな上下で氷の状況は一変するから、カーリング選手は試合中、周囲の様子にかなり敏感だ。第5エンド後の休憩時間で変わることも多く、リラックスしつつも気が抜けない時間が続く。

OAR(左)に勝利し、抱き合って喜ぶLS北見=共同

OAR(左)に勝利し、抱き合って喜ぶLS北見=共同

LS北見のアイスリーディング(氷の状況を読む力)はここまでうまくいっていると思う。特に軽く滑る強さで投じて自分のストーン(石)を残す「ソフトウエート」が他チームより多く決まっている印象だ。加減が難しいが、曲がりを読んだ上で自信を持って投げられているのだろう。

初黒星を喫した4戦目の中国戦も、中盤までは日本のペースだった。狂いが生じたのが第8エンド。3点を献上するビッグエンドを許してしまったのは、連戦の疲れや技術的な問題よりも、急に変わった氷の変化を読み切れなかったことが原因ではないかと思う。

5-3と2点リードで先攻。残りは第9、10エンドだけだから、ここは相手に1点を取らせ、第9エンドを有利な後攻として試合を締めるのが定石だ。

もともとの作戦は円に石を集めて攻めるつもりだったのだろう。ところがリードの吉田夕梨花の1投目は、ハウス(円)の中心からかなり手前にしか届かないミス。作戦が予定通り進められるかはリードのショットの出来でほぼ決まるから、ここですぐに相手の石を円の外に出し続けて守るといった別のプランに切り替えることもできた。

だがセカンドの鈴木夕湖も相手のガードをはじく選択肢は取らず、当初の作戦を敢行。これまで何度も成功させていて自信があったのかもしれないが、攻めるには全員のショットの精度が低かった。逆に中国は氷の変化をうまく読み、セカンドが1投目でスーパーショット。そこからかなり良い形を作られ、4点取られてもおかしくなかった。

それでも、同じ日の夜のOAR(ロシアからの五輪選手)戦で初黒星の影響を感じさせないプレーを見せたのはさすが。国内の大会の予選ラウンドでは、五輪のように丸1日休んで翌日2試合という日程はなく、コンディションや気持ちの持ちようが難しそうだと率直に感じるが、このあたりは五輪3度目のチーム最年長、本橋麻里の経験が大きいのだろう。良い流れのまま後半も戦えそうだ。

(カーリング現役選手 西室淳子)

透視線(西室淳子)をMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

透視線(西室淳子) 一覧

フォローする
銅メダルを獲得し、抱き合うカーリング女子日本代表=山本博文撮影

 1次リーグ終盤から3連敗で迎えた英国との3位決定戦。簡単な心理状況ではなかったと思うが、いつも以上にメンバー全員で氷やストーン(石)の状態を確認する様子が見られ、「最後の試合だから後悔しないように」 …続き (2018/2/25)

準決勝で韓国に敗れ、健闘をたたえ合う藤沢選手(右)ら日本代表=山本博文撮影

 LS北見のショットは決して悪くなかったが、それ以上に韓国の出来が良かったことが敗因だろう。1次リーグの順位が低い日本は第1エンドは不利な先攻でいきなり3失点。余裕を持って展開する相手を最後まで慌てさ …続き (2018/2/24)

勝っても負けてもあと2試合=上間孝司撮影

 1次リーグの最後は連敗したものの、史上初の準決勝進出は快挙だ。全9試合の前半で4勝1敗としながら、後半は1勝3敗。後半戦からストーン(石)の底が削られ、よく曲がるようになったことへの対応遅れが原因と …続き (2018/2/23)

ハイライト・スポーツ

[PR]

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。