2019年7月19日(金)

クアルコム、首脳面談後も買収提案拒否 「対話余地は残す」

2018/2/17 6:07
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手のクアルコムは16日、ブロードコムからの買収提案を受け入れないと発表した。14日に両社首脳が会談したが、1株82ドル(総額1210億ドル=約13兆円)からの買収額引き上げが見込めず、規制当局の承認を得るための取り組みの説明も不足していたという。「対話の余地は残す」ものの、IT(情報技術)業界で過去最大の買収劇は、株主を巻き込んだ委任状争奪戦に行方を委ねられそうだ。

クアルコムのポール・ジェイコブス会長がブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)宛ての書簡を公開した。

書簡によると、ブロードコムは買収が独占禁止法に抵触しないよう言及済みのWi-Fiや高周波部品以外でも事業を分離・売却する意思を示した。その意味で「会談は建設的だった」とジェイコブス氏は説明した。

一方で、ブロードコムが買収手続きの完了前からクアルコムの中核であるライセンス事業をすべて管理する意向であること、ライセンス事業の将来像に関する質問には答えなかったことも明かした。同事業はアップルとの訴訟など多くの問題を抱える半面、クアルコムの収益源でもある。書簡でやり取りを公表し、株主や顧客企業にブロードコムの強引さを示そうとしている面もある。

14日の会談は、5日にブロードコムが買収額を1株70ドルから同82ドルに引き上げたのを機に設定された。これまでブロードコムの呼びかけに拒否や無視を続けてきたクアルコム側が面会を申し入れたため、買収交渉が進展する可能性もささやかれていた。ただ、この面会自体も株主らの要請で実現したとされている。

ジェイコブス氏は「クアルコムの真の価値を反映する提案ならば対話の余地は残す」としたが、タン氏は米メディアの取材に1株82ドルが「最終価格」と表明している。首脳会談で目立った成果が出ず、買収の成否は委任状争奪戦がカギを握る。

ブロードコムは3月6日に開かれるクアルコムの株主総会に諮るため、ノキア出身者ら6人の取締役候補を独自に擁立した。一方のクアルコムは現経営陣による年10億ドルのコスト削減策などを掲げて株主の支持を得ようとしている。

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