2019年9月15日(日)

透視線(西室淳子)

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LS北見、3連勝支えた「読み」と「精度」

2018/2/16 20:05
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LS北見が勝利した米国と韓国はそれぞれ、強豪の英国とカナダを破っている。デンマークを含めて対戦相手の調子は悪くなく、LS北見も完璧ではなかった。実力拮抗の中で開幕3連勝を飾れたのは試合前半の入りが良く、相手よりも先にミスをしなかったから。支えたのは正確なアイスリーディング(氷の状況を読む力)と、正確にストーン(石)を運ぶ「スイープワーク」だ。

韓国戦でショットを放つ藤沢(左)=上間孝司撮影

韓国戦でショットを放つ藤沢(左)=上間孝司撮影

センターラインが山になっていたり、サイドが谷になって石が膨らんだり。氷の状態は一定ではなく、試合中も変化し続けている。スキップの藤沢五月の読みもさえていたが、投げ手の精度が低ければ十分なアイスリーディングにはつながらない。序盤からメンバー全員が的確にショットを決められたことが、藤沢の読みにつながったと思う。

13日までの混合ダブルス(MD)を現地で観戦したが、その頃の氷はとても良く曲がっていた。それが男女の1次リーグでは、それほど曲がらなくなったように見える。MDで予習していた選手たちには戸惑いもあっただろう。

カーリングでは石がある程度曲がる前提で戦略を練っているから、曲がらなくなると作戦の幅は狭まる。パワーで劣る女子は氷を掃くスイープの効果が限定され、「氷に振り回される」状態になりがちだ。特に韓国戦は曲がりが読みにくかったが、ここでLS北見が得意とするスイープとコミュニケーションが生きた。

5エンドの最後に藤沢がハウス(円)中心を狙ったドローショット。外側に膨らむラインで一瞬大丈夫かなと思ったが、スイープワークで内側にコースを作って1点を確保。3点をスチールされるピンチを切り抜けた。光ったのはセカンド鈴木夕湖だ。身長145センチとひときわ小柄な彼女は、素早い判断と的確なブラシの回転数で体格のハンディを十分に補っていた。

大きな声と笑顔で試合をするLS北見の様子は、私たちが日本選手権などで対戦する際と全く変わらなかった。スキップとバイススキップだけで話をつけるチームも多い中、4人で何度も相談。石が所定のラインを越えたらすぐにスイープを始められるのも、全員でしっかり作戦を共有できているからだろう。強豪国との対戦を控えるが、ここまでと同様の試合運びができれば、決勝トーナメント進出も十分見えてくる。

(カーリング現役選手 西室淳子)

 にしむろ・じゅんこ 旧姓園部。長野県軽井沢町出身で14歳の時に「チーム長野」の前身チームを立ち上げ、2005年の日本選手権優勝。10年に発足した富士急カーリング部でチームリーダーを務める。LS北見が出場していない18年2月の日本選手権を制し、3月の世界選手権の出場権を獲得。22年北京五輪を目指している。

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