サントリーHD最高益 巨額買収のうまみでる

2018/2/16 20:30
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サントリーホールディングス(HD)が16日発表した2017年12月期連結決算(国際会計基準)は営業利益が前の期比0.3%増の2536億円となった。日本基準時を含めると、5期連続で過去最高を更新した。米蒸留酒大手ビーム(現ビームサントリー)の巨額買収から4年。日米で共同開発した新製品を出すなど統合効果も出てきたが、まだ世界首位の背中は遠い。

「ビームサントリーはサントリーになったと言える段階に来た」。16日、都内で記者会見した新浪剛史社長はビーム買収後の統合作業が順調に進んでいることを強調した。

売上高は2兆4202億円と3%増えた。16年にスペインの一部事業の売却益を計上した影響などを除けば営業益は実質3%増えた。主力のウイスキー事業は世界の販売が約6~7%増え、市場全体の伸びを約2ポイント上回った。

日米の蒸留所が連携してバーボンの質を高めるなど「統合効果が出てきた」(新浪社長)。統合によるコスト削減の金額といった数値は開示していないが、製品開発などで連携が進んでいるという。

17年にはビームサントリーと世界展開を見据えて初めて共同開発した高級ジン「ROKU(ロク)」を国内外で発売した。桜の花や煎茶など日本風の素材を使う独自性が支持され、17年に日本を含めて世界で予想を上回る2万ケースを販売した。「18年も蒸留酒で2~3商品の発売をめざす」(新浪社長)

国産ウイスキーの世界的な評価の高まりも追い風だが、現時点では需要増に供給が追いついていない。20年までに180億円を投じ原酒を熟成する樽(たる)の貯蔵能力を約2割拡大する。既に蒸留能力を引き上げており、貯蔵設備の増設で増産体制を築き上げる。

米ビーム買収で蒸留酒で世界3位に躍り出たサントリーHDだが、世界首位との規模の差はまだ大きい。ウイスキー販売の伸び率は上位2社を上回るが、規模では世界首位の英ディアジオと2倍超の開きがある。

サントリーHDが1兆6千億円を投じてビームを買収した当時、社長だった佐治信忠会長は「20年に蒸留酒事業の売上高で1兆円」との目標を掲げた。現時点では約6000億円にとどまるが、新浪社長は時間をかけてでも目標達成を目指すとしている。

「過去にとらわれないビジネスを手掛けろ」。新浪社長は現場に発破をかけ続ける。ビームとの統合を熟成して新たな事業などを生み出し、これまで以上の成長を引き出せるか。新浪社長ら経営陣の手腕が問われる。

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