2019年5月21日(火)

南ア、汚職との戦い強調
前大統領と癒着疑惑の企業の捜査開始

2018/2/16 16:33
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【カイロ=飛田雅則】辞任した南アフリカのズマ前大統領と親密な関係にあるとされる企業の捜査が始まった。ズマ氏は企業から資金提供を受ける見返りに、事業が有利になるように便宜を図ってきたとされる。15日に大統領に就任したラマポーザ氏は、国民議会(下院)で汚職対策を改めて約束した。発足したばかりの新政権は与党アフリカ民族会議(ANC)の刷新を印象づけ、国民からの支持をつなぎ留めたい考えだ。

南ア警察はラマポーザ氏の就任に先立って14日、ヨハネスブルクなどで一斉捜査を始めた。対象となったのは、ズマ氏と癒着疑惑が浮上してるインド系富豪グプタ家の関係先だ。政府のプロジェクトに関連して、多額のお金が横領されたとの容疑がかけられている。

警察は8人を逮捕した。2人は逃走中で、1人は海外にいるという。警察当局の報道官は現地メディアに、「さらに逮捕者が増える可能性がある」と語った。

富豪グプタ家は、ズマ氏と親密な関係にあるとされる。グプタ家はズマ氏に多額の金銭を提供する一方、政府発注の事業を有利な条件で受注してきた。最近では閣僚の人事にまで介入してきたとされる。

ズマ氏が数々の汚職疑惑がある中でも、大統領の座にとどまっていられたのは、グプタ家から政治工作のための資金の提供を受けていたからでもある。ズマ氏はカネをばらまき、ANC内の反対派の勢いをそいできた。

しかし「グプタ家は国家を乗っ取ろうとしている」と一般国民から厳しい批判が噴出。各地でデモが発生するなど国民の怒りが、ズマ氏を辞任に追い込んだ。

新大統領に就任したラマポーザ氏は汚職対策を掲げ、党内や国民の支持を得てきた。同氏は15日に南西部ケープタウンの下院での演説で、「汚職や国家乗っ取りの問題があることは承知している」「国民を失望させない。一生懸命働く」と強調。汚職の撲滅を誓った。

公金の流用や数々の汚職疑惑がかけられているズマ氏は、退任すれば訴追は免れないと考え、ANCの説得にもかかわらず大統領からの辞任を固辞してきた。ズマ氏は退任の条件として訴追の免除を求めてきたともいわれている。

汚職に対し厳しい態度をとってきたラマポーザ氏は、ズマ氏の捜査まで踏み込めるか。誕生したばかりのラマポーザ政権は早くも試されている。

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