主要オケの新年度、挑戦的な演目並ぶ(もっと関西)
カルチャー

2018/2/16 17:00
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関西の主要オーケストラの2018年度のラインアップが出そろった。各楽団の動向や、定期演奏会などの注目プログラムを紹介する。各楽団とも指揮者との関係を深めており、大曲や演奏機会の少ない曲など挑戦的な演目が並ぶ。

大フィル、ベートーベンの全交響曲を演奏

大阪フィルハーモニー交響楽団は尾高忠明が音楽監督に就き、2回の定期演奏会に登場する。4月は三善晃とブルックナー、19年1月は武満徹とブルッフ、エルガーといずれも日本人の作品と得意の演目という構成だ。

音楽監督に就く尾高

音楽監督に就く尾高

桂冠指揮者の大植英次は18年7月の定期演奏会で振る。ビバルディのバイオリン協奏曲集「四季」とホルストの組曲「惑星」のユニークな組み合わせだ。そのほか世界的名匠のレナード・スラットキンら4人の外国人指揮者と初共演する。

定期演奏会以外では、尾高の指揮でベートーベンの全交響曲を5回に分け演奏する。オケの再構築を目指す尾高は「1つのオケと1人の指揮者でベートーベン全曲をやると1つの『語法』が生まれる」と語る。

関西フィル、気鋭チェロ奏者 次々と登場

関西フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会には、気鋭のチェロ奏者がソリストとして続々登場する。

音楽監督のデュメイ

音楽監督のデュメイ

音楽監督のオーギュスタン・デュメイは「新しい音楽家を世界に紹介することが大切」と語る。17年のエリザベート王妃国際コンクールチェロ部門で2位の岡本侑也が5月、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番を披露。10月には兵庫県在住の中学生、北村陽が得意とするチャイコフスキーのロココの主題による変奏曲を演奏する。

就任8年目となるデュメイは創立50周年を迎える20年を目指し、欧州ツアーを開催する構想を打ち出す。デュメイは「私の責任は音楽の進化だけでなく、オケを世界に向けて発信すること。まだ仕事は終わっていない」と先を見据える。

センチュリー響、異分野との共演企画

日本センチュリー交響楽団は3年間、ザ・シンフォニーホール(大阪市北区)で年8回、2日間の定期演奏会を続けてきた。しかし集客率を高めきれなかったため各2日を1日にして、代わりに年10回に増やす。首席指揮者の飯森範親は「非常にバラエティーに富んだプログラムができた」と前向きに捉える。

首席指揮者の飯森

首席指揮者の飯森

飯森は4月の定期演奏会でロシアの作曲家、カリンニコフ交響曲第1番を指揮する。飯森が得意とし、人気の曲だがセンチュリー響との共演は初めてという。

定期演奏会以外の企画として、同ホールとの共同演奏会シリーズを始める。第1弾として4月7日、ベートーベンの交響曲第5番「運命」と、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」を演奏。今後、ポップスなど異分野の音楽家との共演も企画する。

大響、自作の交響曲を初演

資金難でザ・シンフォニーホールでの定期演奏会を年10回から8回に減らしていた大阪交響楽団。スポンサーの支援を受けて財政状況が改善したため、18年度から11回に増やす。

ミュージック・アドバイザーの外山

ミュージック・アドバイザーの外山

04年に正指揮者、11年からは常任指揮者に就任した寺岡清高は、18年度で契約満了となる。集大成として19年1月にマーラーの交響曲第3番を振る。約100分、6楽章で壮大に締めくくる大曲だ。

ミュージック・アドバイザーの外山雄三も3年契約の最終年を迎える。18年11月の定期演奏会では日本を代表するチェロ奏者の堤剛を招き、三大協奏曲の1つであるドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏する。2人は長年の知己といい、熟練の演奏を聴かせそうだ。外山は19年2月、締めくくりとして自らが作曲した交響曲を世界初演する。

京響、海外指揮者 多数招く

常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上淳一と、常任首席客演指揮者の高関健、下野竜也の三頭体制で好調が続く京都市交響楽団。広上は「世界中の指揮者やアーティストがどのクラスにあるのか、オケが対峙できるレベルになった」と語っており、海外の指揮者を多く招く。

常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上

常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上

4月には欧米の主要オーケストラで活躍するダミアン・イオリオが日本初登場し、レスピーギのローマ三部作を指揮。6月にはマカオ出身の若手指揮者、リオ・クオクマンが登場する。

7月にピアニストの野田清隆を招き、下野の指揮で尾高惇忠のピアノ協奏曲という珍しい曲を演奏する。この曲は16年に広上と野田で初演した曲だ。高関は8月にブリテンの戦争レクイエムを指揮する。

(大阪・文化担当 西原幹喜)

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