米国で発売、アップルAIスピーカー超辛口レビュー
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2018/2/18 6:30
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米アップルは2月9日、音声人工知能(AI)で操作する"スマートスピーカー"「ホームポッド」を米国などで発売した。購入を考えている人は自分の耳で確かめるためにアップルストアに足を運んだだろう。349ドルを費やせるなら、1台買って好きな部屋で試してみて自分に合うかを判断してもいい。

しかし、このレビューを読めば、アップルストアに行かずに済むかもしれない。端的に言えば、ホームポッドはとっくの昔に生産中止になったアップルのスピーカー「iPodハイファイ」に少し手を加えたようなものだ。アップルのAIアシスタント「Siri(シリ)」を楽しく使えている人なら、そんな自分の生活と相性が合う重低音の小型スピーカーと理解してもいい。低音が強すぎる点やSiriに頼る点が気になるなら、ホームポッドを買わずに、米ソノスの優秀なAIスピーカー「ソノス・ワン」を2台買うべきだ。

アップルの「ホームポッド」(手前)とその先輩「iPodハイファイ」
(C)Jeremy Horwitz/VentureBeat

アップルの「ホームポッド」(手前)とその先輩「iPodハイファイ」
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■基本仕様:どの部屋にも置けるWi-Fiスマートスピーカー

ホームポッドの技術仕様のページをみると、アップル初のスマートスピーカーは「どこにでも置けるアップルミュージック(もしくは、アップルの音楽をクラウド上に保存するサービス『iTunes Match』)の再生機器」と考えるのがよさそうだ。高さは7インチ弱(約17センチ)、直径は約6インチ(約14センチ)で、楽曲をストリーミング配信するのがほとんど唯一の存在理由であり、ステレオではなくモノラルで再生する。

他の機能を期待しているなら、がっかりすることになる。充電ドックやオーディオ入力端子は搭載されておらず、近距離無線通信「ブルートゥース」で楽曲を受信できない。現時点では完全にクローズ型のシステムで、音楽配信サービス「スポティファイ」など他の事業者のアプリから直接配信することもできない。いずれ変わるかもしれないが、ホームポッドの機能は今のところ限定的だ。それでも構わないかどうかは、この"スマートスピーカー"に何を求めるかによるだろう。

■長所:設定が簡単で比較的使いやすい

ホームポッドの初期設定はほとんど苦労せずにできた。リモコンや電源ボタンがないため、プラグを壁のコンセントに差し込むだけでよく、電池が切れることもない。初期設定ではホームポッドのSiriの音声と利用者のiOS端末は連携していないため、Wi-FiやiTunes、iCloudなどの設定の共有を許可するよう指示される。

すっかりおなじみになったアップルの音楽配信サービス「アップルミュージック」の勧誘が必要かどうかで6段階か7段階になる画面を通り抜けると、iOS端末の画面で簡単な音声コマンドを試すよう指示される。これでホームポッドを使う準備が整う。

ホームポッドは「ヘイ、Siri」という合言葉を聞くと、リクエストを聞いて処理し、答える間、上部の光の輪が回る。Siriを搭載した端末が部屋に何台もある場合には、ホームポッドが代表して応答する。これについては1つだけ問題がある。呼びかけに応じて音声操作端末が一斉に起動してしまうので、取り組んでいた作業が一時中断されてしまうのだ。iOS端末が起動するのを避けるために、ホームポッド搭載のSiriを「ヘイ、ホームポッド」と呼びかけて起動できる方法があれば望ましい。

■長所:どの部屋にもなじむデザイン

家じゅうでホームポッドを試してみたところ、どの場所にも置きやすかった。寝室、ダイニング、仕事部屋、ファミリールーム、リビングにも自然に溶け込む。小型で電源コードがかなり長いので、ぴったりのスペースが必ずあり、延長コードを使わなくてもプラグを差せるコンセントも見つかった。見た目という点では、筆者が選んだスペースグレーはどこに置いてもなじんだ。

つまり、ホームポッドの見た目が特に気に入っているというわけではない。家族のみんなも感想を求められると一様に肩をすくめた。アップルのデザイン哲学を考慮すれば、ホームポッドの見た目がニュートラルなのは驚きではない。プラスチック素材を使ったひし形のメッシュが側面に張り巡らされているため、よく似た形の「Mac Pro」に比べると光沢は抑えめで、目立たない。新型スマートフォン(スマホ)「iPhoneX」のような派手な高級感もない。筆者の娘はホームポッドを初めて目にしたとき、アップルはなぜ小型のゴミ箱みたいな製品ばかり作るのかと尋ねてきたが、うまく答えられなかった。

上部は艶やかなプラスチック、底部は光沢を抑えたゴム製で、それぞれカッコよく、実用的な印象を醸し出している。触らずに音声だけで操作すれば、上部にはほこりしかつかない。だが、使い始めて数時間もたてば、上部の3カ所に指紋の跡があることに気付く。これは光る際に、音量を上げたり、下げたり、Siriと楽曲を操作するエリアが浮かび上がる箇所だ。思った以上に端末に触れて曲を操作することも判明した。Siriに何曲も飛ばしてもらうのを待っていられないからだ(注:ある読者が、iOSのミュージックアプリを使って再生を操作できる裏技を教えてくれた)。

ホームポッドの上面にボリュームボタンを表示する。タップすることで再生、一時停止、スキップもできる
(C)Jeremy Horwitz/VentureBeat

ホームポッドの上面にボリュームボタンを表示する。タップすることで再生、一時停止、スキップもできる
(C)Jeremy Horwitz/VentureBeat

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