2019年4月22日(月)

反攻、百貨店アパレル ストライプがモール「マダム」に的

2018/2/15 23:00
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カジュアル衣料大手のストライプインターナショナル(岡山市)は15日、百貨店向けのアパレルを集めたネット通販モールを開設した。レナウン三陽商会など約600ブランドが集結。30歳代後半から40歳代の「マダム」層に照準を定め、若者主体で急膨張するゾゾタウンに対抗する。苦戦続きの百貨店アパレルは反転攻勢のきっかけをつかめるか。

「百貨店を超す通販モールに成長させたい」。15日都内で開いた記者会見で、ストライプの石川康晴社長は力を込めた。

新モールは「ストライプデパートメント」。ストライプとソフトバンクの共同出資会社が運営を担う。3年後には2千ブランドまで広げる計画で、「将来は取扱高を1千億円まで拡大させる」と石川氏の鼻息は荒い。

このタイミングでモールを立ち上げたのは、百貨店のアパレルが構造的な不況にあえいでいるためだけではない。地方に住む顧客の悲鳴に似た不満が聞こえてきたからだ。地方では業績不振の百貨店の閉店が相次ぎ、存続する店も売り場の荒廃が進む。石川氏は「地方の百貨店ファンが最新ファッションを得るには、わざわざ大都市まで行かざるを得ない状況になっている」と話す。

その点「ネット上の百貨店」ならいつでも利用でき、現実の百貨店の売り場をはるかに上回る頻度で最新の商品が入荷する。来春に向け新モールには高級ブランドやセレクトショップも加わる予定。洗練された衣料専門のイメージを磨き、お中元などの特集が目立つ大手百貨店のサイトとの違いを出す考えだ。

ネット上には衣料品専門のゾゾタウンなどがすでに存在し、後発の新モールは規模では到底かなわない。だが、ゾゾの主要な顧客は30歳前後の若い世代。百貨店の常連客が求める商品は、強豪ひしめくネット市場でも品ぞろえが薄く、勝者不在の状況になっている。

新モールはアパレル各社の技術武装も支援する。参加企業には購入者の購買情報を提供し、生産や販売に生かしてもらう。目指すのは、大量生産で売れなかったら値引きという負のスパイラルからの脱却だ。人工知能が客の質問に自動応答するソフトバンクの技術も搭載。グループのヤフーとも連携して集客に生かす。石川氏は「精度の高いデジタルマーケティングが成長のカギになる」と話す。

もちろん先行する大手も黙ってはいない。ゾゾを運営するスタートトゥデイは新サービス「おまかせ定期便」の開始を新モールの発表日にぶつけてきた。利用者の体形や予算、サイズ感といったデータをもとに、同社の販売員が選んだ服を定期的に5~10点送る仕組みで、消費者は気に入った商品のみを購入し不要なものは送り返せる。

客層は違えど、技術や仕組みでライバルは先を行く。売り場の衰退やネット勢の台頭で埋もれつつあった百貨店アパレル。その反攻を軌道に乗せるためにも不断の進化が欠かせない。(原欣宏)

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