2019年7月18日(木)

電通山本社長「2年間は成長が鈍化」、働き方改革を優先

2018/2/15 18:34
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電通の山本敏博社長は15日に都内で開いた決算説明会で、働き方改革について「無理をして仕事の量を追わず、労働時間を落としていく。この2年間は成長が鈍化するという選択をした」と語った。山本社長は19年12月期に社員(管理職を含む)1人当たりの総労働時間を17年12月期実績と比べて約11%減の年1800時間にすることを必達目標としており、生産性改善で収益の悪化を食い止められるように環境整備などの施策を急ピッチで進めていく考えだ。

電通は15年に新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が自殺し、16年に労災と認定されたことをきっかけに働き方改革を進めている。単に常態化していた長時間労働を削減するだけではない。「将来の持続的な成長のための企業基盤整備につながるもの」(山本社長)という位置づけだ。

通常の企業であれば収益とのバランスを考慮しながら労働時間の削減など働き方の改革を進めるが、新入社員の自殺で社会の批判を浴びた電通では労働時間の短縮が優先課題になる。

山本社長は「法令の順守と健康被害を出さない、労働時間を減らすということを、改革の効果が出るよりも先にやらなくてはならない。時間をかけなくても品質の高い仕事ができるという体制が完成するまで(収益との)タイムラグが出る」と指摘した。

電通の18年12月期連結業績はM&A(合併・買収)の費用などを除いた調整後営業利益が1500億円と前期比8.5%減となる見通しだ。これは経営の屋台骨を担ってきた国内事業の調整後営業利益が前期比18.5%減の725億円に落ち込む見込みだからだ。パソコンなどの定型作業を自動化する「ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)」の導入による業務効率化や人員の増強などに130億円を投じることが響く。

山本社長にとっては労働時間を大幅に減らしながら、オフィス環境の整備やIT投資などで生産性を高めて収益の悪化に歯止めをかけることが求められている。

一方、海外事業は既存のビジネスの成長と積極的なM&Aを併せて堅調な業績が続く見通しだ。17年12月期には新規獲得した案件と失った案件の差額が52億ドル(約5500億円)と過去最高に達した。海外での買収効果などで新規顧客の開拓ができていることが要因とされる。海外事業担当のティム・アンドレー取締役は「M&Aの影響を除いた成長率は高い水準に戻る。同業他社や市場成長を上回れるだろう」と述べた。(篤田聡志)

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