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プロ野球、キャンプ名物「特訓」の落とし穴
スポーツライター 浜田昭八

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2018/2/18 6:30
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プロ野球のキャンプたけなわ。沖縄、宮崎、高知で、キャンプ名物の「特訓」も盛大に繰り広げられている。軍隊経験のある古いコーチが球界に持ち込んだ「特別訓練」が、今ではすっかりポピュラーになり、「特打」「特守」という用語まで生まれた。

さらに、練習中にあまり食事をとらない外国人選手が、昼食時間に一人で集中的に打撃練習をする「ランチ特打」がはやった。それが日本人勢にまで広がった。このほか、打ち足りない選手や有望な若手が全体練習の終了後に行う打撃練習もあり、それは「居残り特打」と呼ばれている。

柳田らの打撃練習はそれだけに入場料を払っても見たいと思うほど面白い=共同

柳田らの打撃練習はそれだけに入場料を払っても見たいと思うほど面白い=共同

外国人勢が驚く、日本人の勤勉さが生んだ練習スタイルか。それとも、なにかに打ち込んでいなければ不安という心理が働いたものか。球界だけではなく、特訓という語句は企業の新人教育や学習塾の集中セミナーにまで使われている。

それは別にして、ヤクルトのバレンティンやソフトバンクの柳田悠岐らの打撃練習は、それだけに入場料を払っても見たいと思うほど面白い。プロは常人とは違うパワーや技術を見せるものだが、それが端的に表れるのが打撃練習での打球の飛距離だ。

練習にはそれぞれ意図がある

キャンプ便りは「50スイングで柵越え15本」などという調子で、選手のすごさを伝える。豪打連発といった大ざっぱな表現より、状況がわかりやすい。だが、これがちょっとくせ者なのだ。

解説者の和田一浩(西武━中日)が現役時代のキャンプで「打撃練習でのホームランの本数を、いちいちカウントしないで」と報道陣に注文したことがあった。大きな当たりを飛ばすのは景気がいい。好調な仕上がりの証しではあろうが、それが全てではない。打撃フォームを修正しているときもあれば、右打ちを心がけているときもある、というのだ。

元中日監督の与那嶺要は巨人でプレーしていたある年のキャンプで、まともな当たりが飛ばない打撃練習を続けた。調子が狂っていたわけではない。好球を呼び込むために、ファウルを打つ練習を繰り返していたのだ。これは極端な例だが、外野フェンスを越えない打撃練習にも、さまざまな目的がある。

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