2018年6月20日(水)

海外で1日500円 HISの格安スマホ、競合の半額以下

モバイル・5G
2018/2/15 14:12
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 エイチ・アイ・エス(HIS)は15日、仮想移動体通信事業者(MVNO)の日本通信と組んで始める格安スマートフォン(スマホ)事業の概要を発表した。ブランド名は「HISモバイル」で、海外旅行者用のデータ通信が税別で1日500円と、他社の半額以下で使えるプランを用意する。3年で50万件の契約を獲得し、日本の格安スマホ市場で上位10社に食い込むのを目指す。

記者会見で握手するエイチ・アイ・エスの沢田会長兼社長(左端)、日本通信の三田会長(左から3人目)ら(15日午前、東京都新宿区)

 スマホに挿し込むと通信ができる「SIMカード」を同日からインターネットで販売し、HISの店舗でも順次扱う。夏ごろから端末も売る。

 HISが60%、日本通信が40%を出資して「HISモバイル」を同日付で設立した。新会社を新たなMVNOとして総務省に届ける。

 海外旅行者用のプランでは顧客がふだん使っているスマホにSIMカードを挿し込んでアプリで設定すると、1日200メガ(メガは100万)バイトまでのデータ通信ができる。5月から欧米やアジアなどの70カ国・地域で利用できる。日本と同様に地図の検索や翻訳、交流サイト(SNS)への投稿もできる。音声通話ができる地域は限定するが、無料通話アプリで代用できるとみている。

 ふだん使っているスマホを海外で利用するには携帯電話会社の通信サービスを使うか、「Wi―Fi」の通信機を借りて接続の操作をする必要があったが、総じて高く手間もかかった。HISモバイルでは現地の回線に自動でつながるSIMカードを提供し、料金も抑える。

 サービスはHISで旅行を申し込まなくても契約できるが、セットで契約するとお得感がある旅行商品を開発し、年間300万人にのぼるHISの海外旅行者に海外での通信費用の安さを訴えて取り込む。海外での買い物に使える電子決済機能も加える方針だ。

 日本での料金は通信容量が月500メガバイトの場合、音声通話付きで税別945円など。訪日外国人用のプランも用意する。日本通信がNTTドコモソフトバンクから借りている回線をHISモバイルが借りる。国内外に約570店あるHISの店舗をトラブル対応に活用する。

 格安スマホはイオンやLINEなど、個人向けだけで日本に20~30社がひしめいている。競争の激化を受け、2017年12月には「フリーテル」ブランドを展開していたプラスワン・マーケティング(東京・港)が経営破綻した。

 HISの沢田秀雄会長兼社長は東京都内で開いた記者会見で「激しい競争には慣れている。スマホの通信費が家計に占める割合はまだ高いので切り崩したい。低価格を追求しながら、世界の店舗網で販売やケアをしていきたい」と語った。

 格安航空券の販売で創業したHISは海外旅行市場を開拓してきたが、国内外の旅行予約サイトとの競合の影響で本業の旅行事業は伸び悩んでいる。格安スマホを事業に加えることでテコ入れを狙う。

 日本通信はドコモとソフトバンクの回線を開放させた格安スマホの草分けだが、競争激化でシェアも1~2%にとどまっており、HISの販売網と知名度を取り込む。(大林広樹)

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