2018年10月17日(水)

朝鮮人追悼碑不許可は違法 群馬県の裁量権逸脱認める

2018/2/15 10:07
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群馬県高崎市の県立公園にある朝鮮人労働者の追悼碑の設置期間更新を県が許可しなかったのは違法として、管理する市民団体が不許可処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、前橋地裁(塩田直也裁判長)は15日までに、「裁量権の逸脱があった」と認め処分を取り消した。

原告側が年に1度、碑の前で開いてきた式典の一部で出席者が戦時中の朝鮮人動員を「強制連行」と述べたことなどが、建立許可の際に県が付けた「政治的行事を行わない」との条件に違反したと認定。一方で違反があっても憩いの場としての公園の役割は失われなかったとして「処分は裁量権を逸脱しており違法」と結論付けた。判決は14日付。

碑は2004年、原告「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」の前身団体が、都市公園法に基づき10年間の設置許可を受け、県立公園「群馬の森」に建立。県は05年4月、06年4月の追悼式など4回の式典が政治的行事に当たるとして14年7月、10年間の設置期間更新申請を不許可とした。

12年5月以降、碑に抗議する意見が県に寄せられ、公園では街宣活動があった。県議会は設置許可取り消しを求める請願を採択していた。

判決は、建立の際の県と団体の交渉過程で碑文案から「強制連行」の文言が削除されたことを挙げ、「強制連行の文言を使うと政治的行事になることは原告も認識していた。一部式典が政治性を帯びることは否定できない」と指摘した。

一方で、12年5月までは抗議がなく、追悼式での混乱はなかったと指摘。街宣活動で公園の利用者も減少しておらず、公園周辺で具体的支障は生じていないとした。

10年間の更新義務付けは「いかなる期間や条件で許可するかは、県知事の裁量に委ねられている」として認めなかった。判決が確定すれば、県は更新を許可するかどうか判断し直すことになる。

群馬県の大沢正明知事は「処分取り消しは大変残念。判決文を詳細に検討し、対応を考えたい」との談話を発表。原告側の下山順弁護士は「碑の価値を正面から認めた判決」と語った。〔共同〕

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