英医療ベンチャー、川崎の先端医療拠点に初進出
英国のスコットランドに本社を置く免疫細胞医療のベンチャー企業・TC BioPharm(バイオファーム)社は14日、川崎市殿町地区の再生細胞医療拠点・ライフイノベーションセンターに入居した。同センターへの英国系企業の進出は初めて。がんや感染症治療など、先端医療分野の研究を国内企業と連携して開発する方針だ。
同社は2013年の設立で、海外での拠点開設は初めて。臨床研究によるデータ蓄積、解析に強みを持ち、国内では医薬品大手のニプロと製品開発で連携している。
同日、神奈川県の黒岩祐治知事を表敬訪問したマイケル・リーク社長は同センターの立地について「パーフェクトだ」と話し、利点として羽田空港や同センター内の再生医療を扱う企業との距離の近さを指摘。黒岩知事は「全力でサポートしていく」と強調した。
同社は今後、がん向けの治療薬の開発をはじめ、エイズウイルス(HIV)やインフルエンザなどへの対策に注力する。同センターに入居する企業などと連携して「2年以内に血液がん患者を治療したい」とした。
ライフイノベーションセンターは再生細胞医療の実用化・産業化に向けた企業の集積拠点として県が官民共同で整備してきた。16年から供用を開始し、14日時点で貸し付け可能面積の約9割にあたる27の事業者の入居が決まっている。
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