2018年2月20日(火)

出光社長に木藤氏、昭シェル合併実現へ体制一新

環境エネ・素材
2018/2/14 21:30
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 出光興産は14日、木藤俊一副社長(61)が4月1日付で社長に昇格する人事を正式に発表した。月岡隆社長(66)は代表権のある会長に就く。出光創業家の反対で合併が実現しない昭和シェル石油との事業提携の加速を狙い、両社が相互に役員を派遣することも同日明らかにした。創業家の説得と事実上の合併効果を並行して追うため、経営体制を一新する。

出光興産の次期会長に決まり、記者会見する月岡隆社長(右)。左は次期社長の木藤俊一副社長(14日午後、東京都千代田区)

出光興産の次期会長に決まり、記者会見する月岡隆社長(右)。左は次期社長の木藤俊一副社長(14日午後、東京都千代田区)

 「環境変化が大きくなるなか、成長し続けられる『次の出光』をつくっていく」。木藤氏は同日の記者会見でこう語った。ガソリンなど石油製品の販売部門が長いが、最近は経理や経営企画の責任者として月岡氏を支えてきた。

 月岡氏は2013年に社長に就任。任期は4年を超え、18年度に新たな中期経営計画が始まることから、若返りを図る。

 出光の最大の課題は昭和シェル石油との合併の実現だ。両社は15年7月に合併で基本合意したものの、出光昭介名誉会長ら28%の出光株を持つ創業家が反対。株主総会に合併を諮っても否決される恐れがあり、暗礁に乗り上げている。

 今回の社長交代には、この課題を二正面から解決する意味を込めている。月岡氏は会見で、創業家の説得など合併問題には自らが会長として当たると説明した。木藤氏は通常の事業の遂行を担当する役割分担を敷く。

 両社はしびれを切らし、17年5月から石油精製や物流事業での提携を始めている。12月には、提携範囲を石油化学や海外事業まで広げ、収益改善効果を当初計画の3年250億円から300億円以上に引き上げていた。

 両社が役員を相互派遣する方針も決めたのは、提携加速で少しでも合併に近い効果を出す狙いだ。出光は8人で構成する昭シェルの取締役会に社外取締役を2人送り込む一方、昭シェルは出光の経営委員会に執行役員2人を参加させる。「提携を通じ、合併効果の8割程度は実現できる」(月岡氏)と判断し、木藤氏はこちらに専念する。

 原油価格の緩やな上昇などで、石油元売り各社の業績は改善基調にある。17年4月にはJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が経営統合してJXTGホールディングスが誕生し、石油製品の需給は引き締まった。ただ、中長期には市場環境は厳しさを増す

 少子化などでガソリン需要は年1~2%ずつ減少が続く。全国の給油所は最盛期の半分近くの3万1000カ所まで減った。環境規制の高まりで、欧米では電気自動車(EV)シフトの動きが早まる。有機EL材料のような石油以外の新たな芽の育成も課題になる。

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