エアバス、ボーイングの牙城に風穴 日航に「A350」納入へ
日本攻略に本腰

2018/2/14 18:39
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欧州エアバスと日本航空は14日、2019年度から導入する大型旅客機「A350」の最新鋭機を羽田空港で報道公開した。エアバスにとって日本市場は米ボーイングに劣勢を強いられてきた難敵だ。攻略への足がかりとなる機体だけにアピールにも熱がこもる。世界で5割超のシェアを握る巨人エアバスが、日本市場の開拓に本腰を入れる。

2割程度の日本シェアを世界全体と同じ5割程度に高めるのが目標だ

「風穴を開けた」。日本航空の植木義晴社長と並んで記者会見したエアバス・ジャパンのステファン・ジヌー社長は興奮気味に語った。JALがA350を発注したのは2013年。計31機の確定発注にオプション25機の大型契約という以上に、JALの方針転換が当時から注目を集めた。

JALはボーイングからの調達に長くこだわってきた。旧日本エアシステム発注分を除けば初のエアバスの機体であるばかりか、契約額は確定発注分だけでカタログ価格にして1兆円弱。植木社長も「さすがに、契約にサインする時には手が震えた」と明かす。

エアバスがA350で狙うのは、300~400席の大型機需要だ。中国の大手やシンガポール航空など計14社からすでに287機を受注しているが、ボーイングの「777」が牙城を築いている日本ではJALのみ。ただ現在は2020年の納入開始を予定する次世代機「777X」を前にした端境期。このタイミングを生かし攻めあぐねてきた日本市場で地歩を固めたい思惑が透ける。

「A350に乗客や荷物をフルに積んでも、何も積んでいない777より軽いですから」。A350のマーケティング・ディレクターを務めるフランソワ・オベ氏はライバルを名指ししてのPRに余念がない。チタンや複合材を70%使って機体を軽量化し、燃料コストの25%削減や整備の簡素化につなげたという。

エアバスの向こう20年間の需要予測によると、全世界で導入される新造機3万5000機のうち、約4割にあたる1万4450機をアジア太平洋地域が占める。最大市場の中国のみならず、現在運航中の機材のシェアが2割程度にとどまる日本市場も伸びしろは十分。日本でのシェアも世界シェアと同程度の50%超に引き上げるのが目標だ。

小型機に限れば、日本でもエアバスは好調に受注を重ねている。格安航空会社(LCC)だけでなく、ANAホールディングスも「A320、321シリーズ」37機を発注した。ANAは超大型機「A380」も3機発注しており、日本の航空会社の間でもエアバスの比重が増してきた。

自社の格納庫では見慣れないエアバスの機体見たさに、この日のお披露目式にはJALの社員も約900人が殺到した。「いま飛んでいる777の後継機として考えている」とJALの植木社長は言い切る。世界市場に遅れはしたが、日本でも本格的な航空機2強時代が始まろうとしている。

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