2018年2月20日(火)

平野歩夢 ハーフパイプ頂点の夢は北京で

社会
2018/2/14 17:44
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 【平昌=桜田優樹】絶対王者に肉薄しながらあと一歩及ばなかった。2大会連続の銀。スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手(19)の表情はメダリストになった喜びより、頂点に立てなかった悔しさがにじみ出た。現地で見守った父、英功さん(46)は「持てる力を全部出した」と、大けがを乗り越えて善戦した息子をたたえた。

銀メダルを獲得した平野歩夢選手(右)。左は金メダルのショーン・ホワイト選手(14日、平昌)=山本博文撮影

 雪がちらつく平昌郊外のフェニックス・スノーパーク。14日午前に行われた決勝は最後まで勝者が分からない大接戦となった。

 2本目の滑りでスノーボード界のスーパースター、ショーン・ホワイト選手(米国)をかわして首位に立った平野選手。だが、最終演技でホワイト選手が圧巻の演技を見せて逆転。日本の応援団からは「ああーッ」と大きなため息が漏れた。

 競技終了直後に行われた記者会見。平野選手は国旗を肩にかけ、少しうつむいていた。笑顔はなく、「自分が今できることはルーティーンとして精いっぱいつなげられた。そういうことに対しては悔いがない」と淡々。「苦しかった日々で周りの支えを身近に感じられた。家族、兄弟には感謝している」と家族への思いを口にした。

 15歳で挑んだ4年前のソチ五輪で銀メダルを獲得。冬季五輪史上最年少のメダリストとなったが、昨年の国際大会で選手生命を左右する大けがを負った。

 厳しいリハビリを乗り越えて立った夢の舞台。4年前との違いを問われると「自分も成長し、考え方も変わった。ケガや地道な練習を経て、4年前とは違う滑りができた」と振り返った。

 僅差で敗れたライバル、ホワイト選手については「ショーンの滑りは誰が見てもカッコイイ。プレッシャーの中で素晴らしい滑りをしていた」と手放しで称賛した。

 父、英功さんはゴール前の立ち見席で試合を見守った。「最高のライダーが最高の滑りを見せたベストパフォーマンスだった。持てる力を全部出した」。「ソチの銀は振り向いたら取れていた。今回は金を狙いながら取った銀。今回のほうがうれしい」と笑顔を見せた。

 「どのような言葉を掛けたらいいのか……。考えるほど分からなくなった」と励ましの言葉をあえて掛けなかったという英功さん。「多くの人に応援してもらったことは感謝しかない。歩夢は幸せ者だ」と声を詰まらせた。

 まだ19歳。平野選手は4年後の北京冬季五輪を目指して金メダルへの挑戦を続ける。

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