2018年8月20日(月)

米、非核化の前提崩さず 北朝鮮との予備協議に言及

2018/2/14 21:00
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 【ワシントン=永沢毅】米国務省高官が13日、核・ミサイル開発を進める北朝鮮と本格的な対話に入る前に何が議題になるのかを話し合う予備協議を開く可能性に言及した。ただ、あくまで「非核化」が前提とする方針は崩しておらず、韓国・平昌冬季五輪を利用して融和ムードの演出に腐心する北朝鮮にクギを刺す。トランプ米大統領は14日、安倍晋三首相と電話し圧力路線の継続を確認したとみられる。

 米朝対話を巡っては、ペンス副大統領が米紙ワシントン・ポストのインタビューで「北朝鮮が対話を望むのなら米国は対話する」「最大限の圧力と関与を同時に進める」と語ったばかり。非核化に向けた具体的な行動や意思表示がなくても対話を示唆したとも受け取れる発言が波紋を呼んだ。

 これを受け、国務省のナウアート報道官は13日の記者会見で「どう議論をするのかを話し合う予備協議をしなければいけないかもしれない」との認識を示した。記者団からペンス氏の発言の真意を聞かれたのに答えたものだ。同時に「どこかの時点で対話するかもしれない。それは非核化の実現をめざすものでないといけない」と表明し、予備協議を開いたとしても米政府の方針に変わりがないことを強調した。

 なぜここにきて米政府高官から対話に前向きとも取れる発言が相次いでいるのか。一つには北朝鮮が平昌五輪を活用し、融和ムードを演出していることがある。

 先に訪韓した北朝鮮高官は韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に訪朝を要請。金正恩(キム・ジョンウン)委員長自ら南北関係の改善へ指示を飛ばす。核・ミサイル開発を続けながらも「平和」を望む姿勢をアピールしようとする北朝鮮に対し、「米国が一方的に対話を拒否している」とのイメージが国際社会に広がるのは米にとって得策ではない。

 このため、米国も対話そのものには前向きな姿勢を示す必要があった。しかし、あくまでそれは「非核化」をめざすものという条件つきだ。一連の発言で北朝鮮にその意思があるのかを問いただしたといえる。

 「金委員長の姿勢に戦略的な変化があったという兆候はない」。ポンペオ米中央情報局(CIA)長官は13日の米議会証言で、今のところ北朝鮮に核放棄の意思はみられないと指摘した。米国が呼びかける非核化をめざす対話に北朝鮮が応じる可能性はなお小さい。

 米政府高官によると、冬季五輪の開催中は見送った米韓合同軍事演習を五輪終了後に実施する方針は「今も変わっていない」という。ただ、演習を実施すれば、北朝鮮が昨年11月末を最後に控えている弾道ミサイル発射などの挑発行為を再開する懸念もくすぶる。

 ここにきて北朝鮮が演習に先んじて挑発行為の停止を発表するとの観測も浮上している。この場合は文氏が米国に演習の再延期や縮小を働きかける可能性もある。米朝はすでに五輪後を見据えている。

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