2018年2月18日(日)

中国 不良債権もネットで売却

中国・台湾
2018/2/14 16:02
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 上海市の中心から北西30キロメートルに位置する、小型のショッピングモール。3階建てで、スーパーや複数の食堂、子供向け英語教室などが入居する。地下鉄駅からはやや離れているが、周囲はマンションが立ち並ぶ住宅街だ。

 ありふれた物件にみえるが、特徴が1つある。アリババ集団が手掛けるネット通販サイト、淘宝網(タオバオ)を通じて競売にかけられているのだ。

 売り手は地方銀行の湖北銀行。裁判を経て取得した担保物件を処分しようともくろむ。評価額7139万元(約12億円)に対し、ひとまず4284万元で売りに出した。入札期限を3月末に設定していることもあってか、実際の応札は「少なくとも3月に入ってからだろう」(タオバオの関係者)。

 ネットを通じた不良債権の競売はすっかり定着している。不動産だけでも上海で9件、全国では5000件超の競売が進行中だ。上海の物件が少ないのは処分が容易だからにすぎない。「3線都市」「4線都市」といわれる地方都市の、さらに交通の便が悪い地域では処分の難しい物件が根雪のように積み重なっている。

 動産も多い。さびついた貨物船や工作機械、乗用車、在庫品のポリエステル、白酒と呼ばれる高級酒まである。タオバオの「訴訟資産」というページに掲載されている様々な物品からは、不良債権を少しでも回収しようとする金融機関の努力が伝わってくる。

 なぜネットでの競売を選ぶのか。時価で処理業者に不良債権をまとめ売りする「バルクセール」では、特に動産は「二束三文で買いたたかれる」(銀行)。金融当局が最終処理を急ぐよう繰り返し圧力をかけてくるなか、相対で一つずつ買い手を見つけることなど到底できない。一度に大量の担保物をさらすことができ、売れれば一定額の回収が見込めるネットに流れるのは不思議ではない。

 中国は7%近い経済成長を保つが、不良債権の新規発生はなお高水準だ。共産党大会があった2017年に多少の無理は承知で景気を持ち上げた反動で、18年は一定の減速が避けられそうにない。金融機関が不良債権処理に頭を悩ませる状況はなお続く。(上海=張勇祥)

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