2018年10月24日(水)

仮想通貨所得の確定申告、IT企業が支援

フィンテック
2018/2/16 6:30
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IT(情報技術)企業が仮想通貨所得の確定申告支援ビジネスに参入している。インターネット関連事業のエンファクトリー(東京・渋谷)は2月中旬、仮想通貨の損益自動計算ツールを公開する。クラウド会計ソフトのマネーフォワードも申告書の作成支援サービスを提供する。2017年分の確定申告が16日に始まることを受け、投資家らのニーズを取りこむ。

エンファクトリーの「コインツール」は、「ビットフライヤー」「ザイフ」など4つの仮想通貨交換事業者を通じた取引履歴に対応する。取引履歴のファイルをコインツールのサイトにアップすると、損益を自動計算する。税理士へのメール相談機能を含めて4500円で販売する。

エンファクトリーの清水正樹副社長が個人で設立した企業が、同サービスを開発した。エンファクトリーが1日付で事業を譲り受けた。同社は今後、海外の仮想通貨交換事業者の取引履歴にも対応する。

マネーフォワードは税務支援などのエアリアル・パートナーズ(東京・新宿)と提携した。同社が紹介する税理士が、損益計算や申告書の作成などを支援するサービスを提供する。料金は5万4000円から。クラウド会計ソフトのfreee(フリー、東京・品川)も取引データを自動計算し、損益を報告するサービスを始めた。

国税庁は17年12月、仮想通貨取引による所得の計算方法のガイドラインを公表した。ガイドラインは仮想通貨の売買や店舗での決済、ほかの通貨との交換などを通じた損益を計算するよう求めている。

ただ、仮想通貨は過去のレートが公開されていなかったり、仮想通貨交換事業者ごとに取引履歴のデータ形式が違っていたりするため、損益計算は難しかった。一方、仮想通貨の値上がりで利益を得て、申告する必要のある投資家らは多いとみられる。エンファクトリーなどは支援サービスのニーズは高いとみて参入する。仮想通貨の普及にあわせて周辺ビジネスはさらに広がりそうだ。

「ビットコイン」など仮想通貨の知名度は急速に高まっている。2017年4月施行の改正資金決済法(仮想通貨法)で関連ルールが整備されたことを受け、決済手段として導入する企業が相次いでいる。ビットコインの価格上昇もあり、17年は仮想通貨の購入者が増えたとみられる。

フリーの前村菜緒個人事業部部長は「投資経験がなく、初めて確定申告をする個人が多い」と指摘する。同社が2月に開催したセミナーは満員。1億円以上の利益を得る「億り人」が話題になるなか、少額購入した仮想通貨が値上がりしたケースも多いようだ。

国税庁はビットコインなどの仮想通貨で生じた利益が「雑所得」にあたるとの見解を17年8月に明らかにした。会社員らの給与所得者は、給与とは別に20万円超の所得があった場合に確定申告する必要がある。同庁は17年12月に計算方法を説明する「Q&A」をホームページに公表した。

(企業報道部 諸富聡)

[日経産業新聞2018年2月9日付]

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