2018年8月21日(火)

南ア与党、ズマ大統領に辞任要求
汚職疑惑などで

2018/2/14 0:29
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 【クウェート=飛田雅則】南アフリカの与党アフリカ民族会議(ANC)は13日、ズマ大統領に辞任要求する方針を決めた。汚職疑惑や景気低迷で批判が高まっていた。ズマ氏は早期辞任を拒否しているもようで、与党は近く野党の要求で実施される議会での不信任決議案の採決に賛成する構え。地域大国である南アの政情混乱が深まるのは必至でアフリカ経済に影響を与える恐れがある。

 ANCは12日から最高意思決定機関の会合を開き、13日に大統領職からの「解任」を決定した。来週に会合を開く予定だったが、退陣を求める声が多く前倒しした。ANCには大統領を解任する権限はないが、与党の意思として辞任を要求する意味合いがある。

 ANC幹部によると、ズマ氏は党の決定について14日に回答するという。ただ、現地メディアによればズマ氏は「悪いことはしていない」と抵抗し、3カ月~半年後の辞任を望んでいるという。

 2009年に大統領に就任したズマ氏には汚職疑惑やスキャンダルが付きまとう。与党からも批判が高まり、17年12月のANC議長(党首)選で、汚職対策を掲げる副大統領のラマポーザ氏が勝利。ズマ氏は自らが推した元妻が敗れ求心力に陰りが見えたことで、18年の初めから一気に退陣要求が勢いを増した。

 南ア各地ではズマ氏の辞任を求めるデモが発生し、2月8日に予定されていた一般教書演説が延期された。ズマ氏はラマポーザ氏ら幹部との面談で辞任を促されていたが、汚職による訴追免責や自身や家族の安全の確保を条件として抵抗したとされる。

 故マンデラ元大統領のもとで、白人政権によるアパルトヘイト(人種隔離)を廃絶に持ち込んだANCは圧倒的な支持率を誇ってきた。しかし、ズマ政権の相次ぐ汚職疑惑で16年の地方選での得票率は54%と過去最低となった。19年に総選挙を控え、ANCでは「このままでは選挙を戦えない」と刷新を求める声が強まっていた。

 ANCの辞任要求をズマ氏が無視すれば、焦点は2月22日に予定される不信任決議案の採決となる。実施を前倒しする観測も浮上している。不信任案は過去に何度も不成立になったが、今回は与党の賛成で成立し、ズマ氏が辞任に追い込まれる可能性が高まっている。

 アパルトヘイトを撤廃した南アは政治、経済でアフリカをリードする大国だ。アフリカへの投資の玄関口でもある。20カ国・地域(G20)の一角を占めるだけに、南アの混乱は金融市場にも動揺が及ぶ可能性がある。

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