2019年6月21日(金)

eスポーツ・プロ元年 ゲーマー増加なるか

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2018/2/15 6:30
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幕張メッセ(千葉市)で10~11日にゲームイベント「闘会議」が開催され、ゲーム対戦競技「eスポーツ」のプロライセンスが日本で初めて発行された。一方、以前からeスポーツで生計を立てている「プロゲーマー」が存在する。プロライセンス制度の導入により、増加が見込まれるプロゲーマー。彼らはどんな生活をしているのか。

高橋さんは1日10時間、練習することもある

高橋さんは1日10時間、練習することもある

「日本で高額賞金の大会が開かれるようになればうれしい」。「ボンちゃん」という愛称で活動するプロゲーマー、高橋正人さん(30)は語る。プロライセンス発行をきっかけに高額賞金の大会が多くなれば、日本人プロゲーマーが増えてeスポーツの普及につながると期待する。

高橋さんはカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイター」の選手。大会で好成績を収め、2015年にオーストリア飲料大手のレッドブルとスポンサー契約を結んだ。eスポーツの大会運営などのTOPANGA(トパンガ、東京・中野)が高橋さんのマネジメント業務をしている。

野球やサッカーなどのプロ選手と同じように、1日の多くを練習時間にあてる。「長いと10時間ほど練習している」(高橋さん)。起床は正午から午後2時。明け方まで練習することが多いためだ。食事をとったら体力維持のため、おおむね2日に1回のペースでスポーツジムへ行く。ランニングと筋力トレーニングを1時間ずつこなす。

軽く食事をして、午後4~5時ごろから自宅で練習を始める。国内外のプレーヤーとのオンライン対戦で腕を磨く。5時間ほど続けて練習し、疲れを感じたら中断して休憩する。再開すると翌日の午前7時までプレーするケースもある。1週間うち2日はほかのプロゲーマーと対戦する。

高橋さんはかつてマージャン荘で働いていた。職場近くのアミューズメント施設で有名プロゲーマー、ときどさんに出会ったのがプロゲーマーになるきっかけだ。真剣に練習するときどさんを間近に見て「これはプロの仕事だ」と思い、プロゲーマーを職業にしようと決めた。

現在はレッドブルから支給される給与や交通費に加え、TOPANGAの給与、大会の賞金、イベントの出演料などを得ている。レッドブルからの収入が最も多く、4割ほどを占める。これまでの年間獲得賞金は400万円が最高だった。

レッドブルからは金銭のほか、同社の飲料やロゴ入りの衣服が季節にあわせて届く。「着る服のどこかにレッドブルのロゴが付いている。スポンサーを受けてからは服を買わなくなった」(高橋さん)という。

ストリートファイターは世界各地で開催される予選の成績がポイントとして加算され、上位の選手が決勝大会に出場するシステム。「ポイントを稼ぐため、海外と日本を何往復もしないといけないこともある。体には良くない」(高橋さん)。日本でも人気ゲームの大会が多く開催されるようになれば、日本人プロゲーマーが活躍しやすくなると考える。

高額賞金の大会開催を歓迎しながらも、「優勝賞金が200万円程度だと人生はかけられない。それくらいの水準だとしたら、挑戦者はそれほど増えないのではないか」とも話す。プロゲーマーを目指す若者には「趣味を仕事にすると、楽しかったことが楽しくなくなることもある。じっくり考えたほうがいい」と訴える。

(企業報道部 桜井芳野)

[日経産業新聞2018年2月14日付]

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