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カカとロナウジーニョ、2人の現役引退に思う
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2018/2/15 6:30
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サッカーのブラジル代表で、またクラブチームでも世界の頂点を極めた2人のスーパースターが、2017年12月から18年1月にかけて引退を発表した。カカ(35)とロナウジーニョ(37)だ。ともに00年代から10年代前半にかけて欧州ビッグクラブでMFとして活躍、最優秀選手賞「バロンドール」に選ばれたことがある。こうした経歴だけを見れば2人に類似点があるが、生い立ちやプレースタイル、考え方などは実に対照的だった。

カカ(左)はスピードとインテリジェンスが武器の選手だった

カカ(左)はスピードとインテリジェンスが武器の選手だった

カカは父親がエンジニア、母親が教師という中流家庭に生まれた。ブラジルのサッカー選手の大半は貧困家庭の出身で、彼のようなケースは珍しい。7歳のときサンパウロFCでソシオ(一般会員)としてサッカー教室に入り、才能を見込まれてプロ選手を目指す下部組織へ移った。しかし、本人は「当時、自分としてはプロを目指していたわけではないし、なれるとも思っていなかった。ただボールを蹴るのが好きだっただけ」という。

控えでも腐らず、真剣に練習

ブラジルのビッグクラブの下部組織には、全土から優秀な子供が集まって切磋琢磨(せっさたくま)する。当時のコーチは「センスのよさは感じたが、体力がなく、どのカテゴリーでもずっと控えだった。それでも決してくさらず、いつも真剣に練習に取り組んでいた」と語る。

18歳のとき、プールで遊んでいて頭をコンクリートにぶつけて脊髄を損傷。選手生命を脅かす大けがで、本人が医者に「僕はまたサッカーができるでしょうか」と聞いたら、「歩けるだけでも幸運だと思いなさい」という答えが返ってきたという。しかし、2カ月余り静養してから練習に復帰し、01年にトップチームに加わる。シーズン前の前哨戦に出場して活躍し、ほどなくレギュラーとなった。将来性を見込まれて02年ワールドカップ(W杯)の登録メンバーに入り、優勝を経験した。

03年、イタリアの名門ACミランへ移籍。爆発的なスピードを生かした高速ドリブルと強烈なミドルシュートでアピールし、すぐにポジションを勝ち取った。06~07年シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(CL)で10得点をあげて得点王に輝き、欧州CL制覇に貢献。07年の最優秀選手賞に選ばれた。

しかし、09年にレアル・マドリード(スペイン)へ移籍してからはプレースタイルの違いもあって持ち味を十分発揮できず、出場機会が減少。13年にACミランへ復帰したが往年の輝きはなく、14年からオーランドシティー(米国)でプレーしていた。昨年10月に退団し、12月中旬に現役引退を発表した。

スピードとインテリジェンスが武器の選手だった。「将来、ピッチとクラブをつなぐ役割、具体的には強化部長のような仕事をしたい。これから、そのための準備をするつもり」と語る。

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