メルカリが自転車シェア 運営に協力すればポイント
27日から福岡で
フリーマーケットアプリ大手のメルカリ(東京・港)は13日、自転車シェアリングサービス「メルチャリ」を27日から福岡市で始めると発表した。利用者は専用のアプリで自転車の位置を確認でき、使用後は指定の場所で乗り捨てられる。これまでメルカリはアプリ間で個人間取引(CtoC)を促してきたが、自転車の修繕や移動といった手間が必要なリアルの場での経済圏の構築に乗り出す。

27日に専用アプリ「メルチャリ」の配信を始める。利用者がスマートフォン(スマホ)のアプリを起動すると、自転車の位置と台数が表示される。自転車のサドルの下に位置するQRコードをアプリで読み込むと、解錠された自転車を使える。料金は1分間あたり4円で、利用者はアプリに登録したクレジットカードなどで支払う。
課題となるのは従来はネット上で完結していた顧客対応だ。メルカリにとって実物を提供するサービスは初めてで、都内で会見したメルカリの井上雅意マネージャーは「個人の運用への参加を促す仕組みを作る」と話した。
メルカリが指定した場所以外で乗り捨てられた自転車を見つけ、適切な位置に利用者が運んだり、修繕が必要な傷などを報告したりした場合にポイントを付与する。利用者はたまったポイントをフリマアプリ「メルカリ」で使ったり、オリジナルの商品と交換したりできる。井上マネージャーは「好奇心をくすぐる『ゲーミフィケーション』の手法で参加を促す」と強調し、メルカリが自転車を管理する負担を減らしたい考えだ。
まずは福岡市に400台の自転車を配置し、50カ所の置き場を設ける。今夏を目標に自転車の数を2000台に増やす。自転車置き場はホテルチェーン運営のアパホテルなど13の企業と連携し、提携先の場所を活用する。空きスペースを自転車置き場として提供してくれる個人も募集する。
このほかに損害保険ジャパン日本興亜とも連携し、利用者が事故などを起こした場合に最大2億円を補償する保険を提供する。
(企業報道部 亀井慶一)