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人づくりと人の活用(十字路)

2018/2/14 11:30
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人材のレベルの定義や指標の評価は難しいが、経済協力開発機構(OECD)が3年に1度実施している15歳児を対象とした教育水準調査で、日本は科学的リテラシーと数学的リテラシーで35カ国中1位だ。人材のグローバル化の遅れや高等教育の質などの課題はあるが、日本の人材レベルは総じて高い。

ただ今の日本で、こうした人材が十分活用できているだろうか。安倍政権が注力する「人づくり」も重要だが、その能力が発揮できなければ意味がない。人材の活用にもっと焦点をあてるべきだ。

人材の活用には、公平かつ大胆な評価制度の導入や、個人の事情に応じて多様な働き方を目指す働き方改革は有効だ。ただ、これだけでは足りない。あらゆる分野でデジタル化が進み、新たなビジネスモデルが次々と出てくる中、就職ではなくて就社といわれる日本では、人材が企業に固定化し、新たな成長産業や企業に十分な人材が供給されていない。

データアナリストなどの高度技能人材でさえ、長期雇用する代わりに低い報酬となる傾向があり、優秀な人材が海外に流出している。一段と激しさを増す環境変化に立ち向かうためには、人材と仕事のミスマッチ解消に向けた人材の流動性向上にまで踏み込む必要がある。

これは日本の伝統的な雇用慣習に大きな影響を与えるもので、一朝一夕に実現できることではない。しかし将来の日本の競争力を大きく左右する課題であり、しっかり向き合うべきだ。日本は20年後、30年後にどのような国・社会・経済を目指すのか、そのためには、どのような人材・活用のシステムが必要なのか。幼児教育や高等教育の無償化など人づくりの個別施策だけでなく、今こそ人材活用も含めた国としてのグランドデザインを議論すべきだろう。

(三菱商事調査部長 武居秀典)

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