2018年10月22日(月)

米財政赤字9840億ドルに悪化 19年度予算教書で見通し

2018/2/13 5:53
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は12日、2019会計年度(18年10月~19年9月)の予算教書を議会に提出した。大型減税で歳入が頭打ちになる一方、国防費や公共事業費の積み増しで歳出が膨張。財政赤字は9840億ドル(約107兆円)と、7年ぶりの水準に悪化すると見込んだ。社会保障給付の圧縮などで財政赤字を段階削減するとしたが、楽観的な試算に不安が残る。

米大統領の税財政方針を示す予算教書は、施政方針である一般教書、経済情勢判断を説明する大統領経済報告と並ぶ「三大教書」の一つ。税財政は上下両院に立案・決定権があるため予算教書に強制力はないが、議会審議のたたき台となる。

予算教書でトランプ政権は、19会計年度の歳出を前年度比5%増の4兆4070億ドルと提案した。米議会が決めた2年で3千億ドルという歳出引き上げを一部織り込み、国防費の大幅増額を盛り込んだ。

米国防総省の発表によると、歳出膨張の主要因である国防費は前年度比7%増(要求ベース)の6170億ドル(約67兆円)。中国やロシア、北朝鮮の脅威増大を背景に、核兵器を含めた軍備の近代化を図る狙いで、別枠の「国外作戦経費」(戦費)として690億ドルを要求した。インフラ投資にも連邦政府予算を10年間で2千億ドル拠出する。

19年度は歳入の伸びが2%台にとどまるため、財政赤字は大幅に膨らむと見込んだ。国内総生産(GDP)比でみた財政赤字は19年度に4.7%に達し、12年度(6.8%)以来の水準に悪化する。リーマン・ショックの影響を除けば1986年度(4.9%)以来で財政悪化は深刻だ。

ただ、20年度以降は歳出削減で財政赤字が縮小すると予測した。生活保護や高齢者向け医療費などの社会保障費を削減するほか、学生ローンの見直しで教育関連予算も圧縮。歳出入を10年間で合計4兆ドル超も改善させる。財政赤字は28年度にはGDP費1.1%まで縮小すると主張した。

もっとも、19年の経済成長率を3.2%と高めに見積もるなど、試算には甘さも残る。米議会予算局(CBO)は米経済の潜在成長率を1.8%を分析するが、予算教書では減税効果などで18年から24年まで3.0~3.2%の成長が続くと試算。減税後も高めの税収確保を見込んでいる。

歳出削減計画も楽観的だ。歳出のうち社会保障給付を除く「裁量的経費」は全体の3割を占める。そのうち公共事業費などの「非国防費」は年間予算を10年後に3割強も減らすとした。予算1ドルあたり2セントを圧縮する「2ペニー計画」で無駄遣いをなくすというが、実現できるか見通せない。

金融市場を揺さぶる長期金利は、18年平均で2.6%、19年も3.1%と見込んだ。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測などで、長期金利は2.8%に達しており、市場では19年末には3.5%を上回るとの見方が浮かんでいる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報