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スノボ岩渕、急速な進歩 16歳の飛躍期待

今回のスノーボードで日本は金メダルも見込める。ハーフパイプ(HP)で前回ソチ五輪銀メダリストの平野歩夢は、表彰台のもう一段上を狙えるほどに充実している。

ただ障害物やジャンプ台のあるコースをルートを選びつつ滑るスロープスタイルでは、日本勢は男女とも厳しい。これは日本と海外の文化的な違いにも遠因があるように思う。日本は人工ジャンプ台では世界のトップランナーで、通年、ジャンプの練習ができる。その恩恵もあって選手は複雑な空中技を繰り出せる。

だがジブ(手すり状のレール)を滑ってキッカー(ジャンプ台)も跳ぶスロープスタイルでは、細かなエッジング、減速加速、ボードコントロールなど総合的な技術が試される。スケートボードや、雪山を自由に滑るうえでのスキルが生きてくる。米国や北欧では子どものころから身近な場所でボードを楽しみ、自然の雪とともに滑る感覚を磨く。こうではない日本とは文化の厚みに育まれる技術が違うというか、滑りの応用力で差が出てしまうのだ。

加えてスロープスタイルのコースがくせものだ。正式採用されたソチ大会では海外選手に「タイガー・ウッズにパターゴルフをさせるようなコース」と皮肉られた。平昌のそれはそんな代物ではないにしても、ギミック(仕掛け)満載で複雑。女子は通過するうちにスピードが落ち、最後のジャンプ台はろくに跳べず、なんてこともある。

斜めに進入するジャンプ台「ヒップ」へ進めば空中技で回転数を上げにくい。だがジャッジによってはキッカーで何回転もするより、ヒップですんなり跳ぶ方が高得点のときもあり、選手も悩ましいだろう。

1つの大型ジャンプ台で空中技を競うビッグエアの女子なら期待が持てる。鬼塚雅もいるが、16歳の岩渕麗楽を推したい。表彰台を狙うなら決めたい縦2回転・横3回転の大技があるが、鬼塚はこれを実戦で決めるべく取り組んでいる。だが岩渕は昨年12月の大会で手をつきながらも成功させ、先月末のXゲームでは2度成功。現地で見る限り、完璧といえる完成度だった。技をやり始めて1年もたっておらず、数日、数分単位で成長しているのでは。その加速度のままに飛躍してほしい。

(スノーボード専門誌編集長 野上大介)

 のがみ・だいすけ 18歳でスノーボードを始め、1998年と2000年、日本スノーボード協会主催の全日本選手権ハーフパイプ種目に出場。けがを契機に引退後、スノーボード専門誌「TRANSWORLD SNOWboarding JAPAN」で10年間編集長を務める。独立し、16年8月に「BACKSIDE」を創刊。

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