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恐怖指数の関連商品、価値が一晩で96%消滅
ボラティリティーが揺らす市場(下)

2018/2/9 22:11
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米国株が再び急落した。株価下落を加速させた背景と指摘される米VIX指数も高止まりしたままだ。落ち着いた値動きに慣れきっていた市場を襲った突然の価格変動は、ある特殊な金融商品の価値をほぼ全損させた。個人投資家も購入していた「VIXインバース」と呼ばれる上場投資信託(ETF)や上場投資証券(ETN)だ。

「たった一晩で96%も価値が吹き飛ぶなんて……」。関西の証券会社で働く20代女性は肩を落とす。

この女性は6日朝、前日の米国市場でVIX指数が急上昇したことを知って跳び起きた。VIXは米国の代表的な株価指数であるS&P500種株価指数の予想変動率を示し、「恐怖指数」とも呼ばれる。前日のダウ平均は1175ドル安と過去最大の下げ幅を記録。VIXも37.3と前週末の17.3の約2.2倍の水準まで急上昇した。

女性が驚いたのは、野村ホールディングス(HD)の欧州グループ会社が2015年に発行した「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN(VIXベアETN)」と呼ばれるETNに投資していたからだ。VIXが下がれば下がるほど投資収益を得られる商品だが、逆にVIXが上がるほど、損失が膨らんでしまう。

この商品は、VIXとは正反対の値動きをする指数が前日終値に比べ80%以上下落した時には強制的に償還する条項が付いていた。米国株の急落に伴うVIXの急上昇で、条項に抵触したため、野村は6日午前8時25分、このETNを繰り上げ償還すると発表した。償還額は1144円と前日の取引での終値(2万9400円)のわずか4%だった。

野村のETNは、上場当初20万口だった投資口が2018年2月時点で110万口まで増えていた。保有者の大半は個人投資家だったとみられるが、中にはトレーディングフロアで働くプロの証券マンも含まれていたという。

野村のETNと同じような商品性を持つVIXベア型商品の売買高は1月時点で、世界全体でVIX関連ETFとETN全体の4割を占めていた。野村のETNと同様の商品は、米国では金融大手クレディ・スイスなどが組成している。米ゴールドマン・サックスによれば、こうした金融商品の運用残高は全体で39億ドル(約4300億円)。この金額の大部分が、世界中で一瞬にして失われた。

野村では早期償還の条項があることをホームページなどに明記しており、問題があったわけではない。ただ「相場の変動率のリスクは個人にはわかりにくかったのでは」(ネット証券)との指摘も出ている。

ETF最大手の米ブラックロックは「借り入れでレバレッジをかけたり、市場と逆の動きをしたりするETFやETNは通常の商品とは異なると明記する規制を導入すべきだ」との声明を発表した。同社はこうしたリスクの高い商品を取り扱っておらず、今回の事態がETF市場全体に与える負の影響を懸念している。

VIXは5日に急上昇するまで落ち着いた状態を示す20以下で推移し、歴史的な低水準を続けていた。好景気と低金利が両立する「適温相場」の中、世界中の投資家がリスクに対して鈍感になりすぎていたのではないか。VIXインバースの価値消滅は、そんな投資家の油断をあぶり出した。(坂部能生)

ボラティリティーとは
 日米の株式相場が乱高下するなかで、ボラティリティー(volatility)に注目する投資家が増えている。ボラティリティーとは相場が先行きどれだけ変動するかを意味する数字だ。
 日経平均株価が今後どれぐらい変動するかを示すのが「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」だ。一般的には20を超えると、投資家が相場の先行きを警戒するとされている。日経平均VIが20であるとは、市場が今後1年間の株価指数が7割弱の確率で上下20%の幅に収まると想定していることを意味する。
 9日の東京市場で日経平均VIは35台と年初の2倍超にはねあがっている。投資家は日経平均VIが高まると、相場下落リスクを意識する。米金融危機時の08年10月には92.03、東日本大震災の直後の11年3月には69.88まで上昇した。
 米国ではS&P500種株価指数の予想変動率である「VIX」があり、投資家の不安心理を映す「恐怖指数」として有名だ。
 ボラティリティーは将来の株価などを予想して取引される「オプション」価格や金利などから算出する。株価の先安懸念が高まるとボラティリティが高まるのは、投資家がオプション市場でプット(売る権利)を買うなど相場下落に備える取引に一斉に動くためだ。

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